桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

人生相談

2013-03-17 | Weblog
俺は人様の悩みを聞いて、なんだかんだと言える男ではない。人格未熟だし、母とも思う支援者からは、「ショウジは下品だ」などと言われたりする。
そんな自分を知っているが、不思議に、色々な人生の悩みを背負う方が、こんな俺の言葉を求めて来る。
今日も、ある弁護士さんから冤罪を訴える話があった。冤罪を訴える人の話は、はっきりと違うと判るまで、俺は信じることにしている。
昔、信じられなくて当たり前な男を救援会の人は信じて支援してくれた。そこで信じて貰えたことが、今の俺を作ってくれたと思っているので、俺は裏切られるまで信じる。
今日、弁護士さんから聞いた話は、かなり病的で「ヤバイ」とは思ったが、でも、もちろん冤罪を訴える言葉に偽りはないと信じた。何しろ、日本の警察は冤罪を作る。平然と証拠をでっち上げるのを、余りにも多く知っているから、それもあると思えるからだ。
しかし、冤罪を背負う人は暗いなぁ。明るく楽しい冤罪事件!と言って来た俺が、如何に異質な存在かと、段々と判らされるのが寂しい今日だったなぁ。

名古屋可視化集会

2013-03-17 | Weblog
昨日は、名古屋での愛知弁護士会による可視化集会だった。
先着百名の集会で、余り人の参加は少ない可視化の集まりを案じていたが、3人掛けに2人は座り、70名くらいが来てくれた。
俺は、まず自白に至る心境を30分、話し、次に大谷大学の脇中教授が心理学的に嘘の自白が生まれる問題を話した。
その後、俺が作らされた「自白テープ」を流したりして、俺と脇中教授、それに金沢からおいでの中西弁護士で、可視化の重要さを話した。
何時も通りに、何時ものことを話すだけだったが、今、警察と検察の反抗で可視化の実現が怪しくなり始めたときだから、もっと多くの人に可視化の重要さを判って欲しいと思う気持ちは、今までで1番強かった。