桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

裁判員裁判

2009-12-12 | Weblog
沢山の問題を抱えたままに始まった裁判員裁判だが、裁判員になった人たちは、思っていた通りに真摯に取り組んでいて、俺の予想通りに来ている。
ただ、この制度が問われるのは否認事件を裁くときになると思っていたが、案ずるような裁判員の感想を知った。
昨日、埼玉で否認事件の判決があった。有罪だったが、「検察の言うことも、弁護士の言うことも、でっちも聞けば言うとおりのように思えて悩んだ」と感想を語ったらしい。
評議で推定無罪原則は語られたのだろうか。
裁判は、もっともらしい主張が勝つ場ではない。検察の有罪主張が合理的疑いがないまでに立証されたかどうかが問われる場なのだ。冤罪は許されないのだから、改めて裁判員に推定無罪原則を認識、徹底させる必要を感じた。