職人たちの徒然草

新潟県・燕市在住の職人ヤスさんと、東京都・杉並区在住の職人ナガさんの交換?日記です。

本物

2007年09月12日 | ヤスさん日記
日常の中の本物
そんなものが創れたらなー
と思う今日この頃。
ナガさんいかがお過ごしですか?

品物がガラスで閉ざされてしまったら
誰にも手の触れられないところに
ただ衆目を集め
そこに温もりを感じられなくなったとき
その品物は生きているのでしょうかねー。

使うことを目的として
日常にのソコココに在るものとして
生を受けたとき
その目的はきっと目的そのままに
どんなことになろうとも目的の中で
活かされるということは
本望なのだろうと。

使い続けてもらえるということは
使い続けられるということは
人の内面はなかなか具象化しない
と、思われがちですが
長く使い続けられた品物を見ていると
使い続けてくれた人が見えてくるものです。
禅の世界が一に掃除、二に精進
一日掃除を怠れば取り返すまでに二日かかる
といわれるように
日々の中に溶け込んでいる品物を
扱う人の空気が
品物までにも具現化し
自分の中の光沢が
品物の光沢となり
部屋の隅々まで空気を満たしているものです。

部屋の中を見回してみれば
自分の大事にしているもの
大切にしているものが輝いているか
日々の仕事の道具が輝いているのか
そんなものを眺めてみるのも
よいものです。

今日は少し秋を感じさせてくれる一日。
きざらしの長袖のシャツに袖を通し
ふらりふらりと歩き出すと
太陽の沈む空が
薄い桃色に染まり
青空がゆっくりと色を変えてゆきます。
コメント
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