12日に放映された第42期女流王将戦挑戦者決定戦。対局日は8月20日。対戦成績は里見香奈女流名人が12勝,室谷由紀女流三段が1勝。
振駒で里見名人の先手となり,室谷三段のいきなり三間飛車。先手が向飛車に振っての相振飛車。中盤戦がとにかく長い将棋で,その段階で両者が40秒将棋に。中盤の前半は先手の模様がよかったのですが,おそらく慎重になりすぎたために後手の盛り返しを許し,一手違いの終盤戦に入りました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/dc/4be7b9fe4d119826fca45ac4a9fe6326.png)
ここで先手は☗2五角と飛車取りに出て,☖4四飛に☗6一銀と打ち込みました。☖4三歩と受ける手もあったかとは思いますが後手も☖4八成桂と攻め合いに。先手は当然☗5二角成と王手で飛び込み,☖7三玉と逃げました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/49/de01225c3beb922e4d5c69a707ded698.png)
ここから☗7二銀成☖同玉☗4六歩と受けたのですが,☖3八成桂☗同王と桂馬を入手した局面が,打ち歩詰めで逃れる筋があって後手玉に対する詰めろになっていませんでした。なので銀を入手した後手の方が先手玉に詰めろを掛け,後手の勝ちになっています。ですから第2図では先手は受けておかねばならなかったとことになるでしょう。☗1八王と逃げると後手が駒を渡さずに詰めろを続けるのは難しそうで,先手の勝ちまであったかもしれません。
室谷三段が挑戦者に。女流王将戦三番勝負には初出場となります。
ここで,以前の考察と関連して,次のこともいっておきます。
僕はかつて,第二部自然学②補助定理七備考でスピノザが主張していることには,ある論理的飛躍が含まれているといったことがありました。基本的にこの考え方については,僕は現時点でも変更していません。ただし,無限infinitumであるものはいかなるものであっても分割することはできない,いい換えれば,無限であるものが有限finitumである部分によって構成されるのは不条理であるというのは,僕自身の見解opinioであって,スピノザ自身は,実体substantiaは部分に分割することは不可能であるけれど,無限様態modus infinitusは部分に分割できると主張しているという解釈に現在は傾いていますので,この観点からは,スピノザの当該部分の主張に論理的な飛躍があるという考え方は,今はしていません。また,僕自身の見解とスピノザの見解の相違については,必要がある場合は争うことをしますが,今はその必要を感じません。
僕は第二部定義七のうちには,僕が個物res singularisの複合の無限連鎖といっている事柄が,論理的に含まれていなければならないと考えています。すなわちどのような個物であったとしても,それはほかの個物と複合することによって,より複雑な個物を構成するということが含まれていなければならないと考えるのです。したがって,ある個物を抽出してそれを別の個物と複合させ,そうして構成された個物をまた別の個物と複合させてより複雑な個物を構成し,といった具合に続けていったとしても,そこで構成されるものは必ず個物なのですから,それは別の個物と結合するものとして規定されなければならないというのが僕の見解です。よってこの操作をいくら繰り返したところで,生じてくるのは必ず個物であり,間接無限様態に至ることはないと考えます。この意味においては,この部分のスピノザの主張には,論理的な飛躍が含まれていると,僕は今でもなお考えているのです。
ここでスピノザの見解と僕の見解の相違について追及する必要はないと僕がいったのは,現在の考察は,スピノザの見解に沿って進めていかなければならないからです。なので,無限様態については,部分に分割できることを前提とします。
振駒で里見名人の先手となり,室谷三段のいきなり三間飛車。先手が向飛車に振っての相振飛車。中盤戦がとにかく長い将棋で,その段階で両者が40秒将棋に。中盤の前半は先手の模様がよかったのですが,おそらく慎重になりすぎたために後手の盛り返しを許し,一手違いの終盤戦に入りました。
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ここで先手は☗2五角と飛車取りに出て,☖4四飛に☗6一銀と打ち込みました。☖4三歩と受ける手もあったかとは思いますが後手も☖4八成桂と攻め合いに。先手は当然☗5二角成と王手で飛び込み,☖7三玉と逃げました。
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ここから☗7二銀成☖同玉☗4六歩と受けたのですが,☖3八成桂☗同王と桂馬を入手した局面が,打ち歩詰めで逃れる筋があって後手玉に対する詰めろになっていませんでした。なので銀を入手した後手の方が先手玉に詰めろを掛け,後手の勝ちになっています。ですから第2図では先手は受けておかねばならなかったとことになるでしょう。☗1八王と逃げると後手が駒を渡さずに詰めろを続けるのは難しそうで,先手の勝ちまであったかもしれません。
室谷三段が挑戦者に。女流王将戦三番勝負には初出場となります。
ここで,以前の考察と関連して,次のこともいっておきます。
僕はかつて,第二部自然学②補助定理七備考でスピノザが主張していることには,ある論理的飛躍が含まれているといったことがありました。基本的にこの考え方については,僕は現時点でも変更していません。ただし,無限infinitumであるものはいかなるものであっても分割することはできない,いい換えれば,無限であるものが有限finitumである部分によって構成されるのは不条理であるというのは,僕自身の見解opinioであって,スピノザ自身は,実体substantiaは部分に分割することは不可能であるけれど,無限様態modus infinitusは部分に分割できると主張しているという解釈に現在は傾いていますので,この観点からは,スピノザの当該部分の主張に論理的な飛躍があるという考え方は,今はしていません。また,僕自身の見解とスピノザの見解の相違については,必要がある場合は争うことをしますが,今はその必要を感じません。
僕は第二部定義七のうちには,僕が個物res singularisの複合の無限連鎖といっている事柄が,論理的に含まれていなければならないと考えています。すなわちどのような個物であったとしても,それはほかの個物と複合することによって,より複雑な個物を構成するということが含まれていなければならないと考えるのです。したがって,ある個物を抽出してそれを別の個物と複合させ,そうして構成された個物をまた別の個物と複合させてより複雑な個物を構成し,といった具合に続けていったとしても,そこで構成されるものは必ず個物なのですから,それは別の個物と結合するものとして規定されなければならないというのが僕の見解です。よってこの操作をいくら繰り返したところで,生じてくるのは必ず個物であり,間接無限様態に至ることはないと考えます。この意味においては,この部分のスピノザの主張には,論理的な飛躍が含まれていると,僕は今でもなお考えているのです。
ここでスピノザの見解と僕の見解の相違について追及する必要はないと僕がいったのは,現在の考察は,スピノザの見解に沿って進めていかなければならないからです。なので,無限様態については,部分に分割できることを前提とします。