スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

王座戦&間接無限様態の観念

2020-09-11 18:55:41 | 将棋
 京都で指された一昨日の第68期王座戦五番勝負第一局。
 久保利明九段の先手で5筋位取り中飛車。先手が後手の居飛車穴熊を牽制する駒組をすると,後手は変則的な陣形から棒銀に。先手はその銀を相手にせず飛車を4筋に回り後手の玉頭から攻めていく展開に。この攻めに対して後手が受け間違えたため,先手がリードしたようです。
                                        
 第1図は陣形も駒の働きも差があって先手が有利。後手の主張は駒得しているという一点。ですから先手がそれを補填すれば,差がさらに開くことになります。☗7二馬と飛車を取ってそれを打ち込めば取り返せますが,すぐにはそうしませんでした。
 ☗4五歩☖5四金寄☗5五歩☖6四金寄☗4四歩☖同歩☗6五歩☖7五金☗5四歩☖同金と歩の手筋を駆使。後手の応手はいずれも仕方がないもので,第2図になりました。
                                        
 先手はここで☗7二馬を決行。確かに第1図ですぐに取るより第2図で取る方が厳しく,ここで決定的な差がつくことになりました。
 この将棋は後手が俗に居飛車の税金といわれる9筋の歩を突かずに棒銀に出ました。これは作戦としてはあるのですが,この将棋の場合は後手の陣形とマッチしていなかったような気もします。
 久保九段が勝って1勝1敗。第三局は24日です。

 観念ideaと観念対象ideatumの原因causaと結果effectusの連結connexioと秩序ordoは一致します。したがって,延長の属性Extensionis attributumの間接無限様態の観念の原因と結果の連結と秩序は,延長の属性の間接無限様態の原因と結果の連結と秩序と一致しなければなりません。延長の属性の間接無限様態は,延長の属性の直接無限様態という様態的変状modificatioに様態化した延長の属性を原因として生じます。よって延長の属性の間接無限様態の観念は,延長の属性の直接無限様態という様態的変状に様態化した延長の属性の観念から生じなければならないのです。もっと分かりやすくいえば,延長の属性の間接無限様態は延長の属性の直接無限様態を原因として生じるのだから,延長の属性の間接無限様態の観念が生じる原因は,延長の属性の直接無限様態の観念でなければならないのです。
 第一部定理二二は,一般的に間接無限様態の原因と結果の連結と秩序を示しています。したがって,Aという属性の間接無限様態は,Aという属性の直接無限様態という様態的変状に様態化したAという属性から生じるのです。これも分かりやすくいえば,属性Aの間接無限様態の原因は,属性Aの直接無限様態です。そしてこのことが思惟の属性Cogitationis attributumにも該当しなければなりません。これはこの定理Propositioがすべての属性に一般的に適用されるべきであることから明白でしょう。したがって思惟の属性の間接無限様態の原因は,思惟の属性の直接無限様態という様態的変状に様態化した限りでの思惟の属性でなければなりません。よって,延長の属性の間接無限様態の観念は,思惟の属性の間接無限様態であることができないのです。ここまでに説明したことから明白なように,延長の属性の間接無限様態の観念の原因と結果の連結と秩序は,思惟の属性の間接無限様態の原因と結果の連結と秩序と異なっているからです。つまり延長の属性の間接無限様態の観念は,確かに神の観念idea Deiから発生しなければならない観念ではあるのですが,それは文字通りに延長の属性の間接無限様態の観念であって,思惟の属性の間接無限様態ではないのです。
 このことは,延長の属性以外の属性についても同じように妥当します。これは第一部定理二二が,一般的であることから明白です。
コメント
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