スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

オールスター競輪&パリにいる理由

2020-08-16 19:18:27 | 競輪
 名古屋競輪場で開催された第63回オールスター競輪の決勝。並びは脇本‐古性の近畿に守沢,原田‐松浦‐柏野の四国中国,山田‐内藤の同期で諸橋は単騎。
 山田がスタートを取って前受け。3番手に脇本,6番手に原田,最後尾に諸橋で周回。結果的に諸橋は四国中国ラインの追走に終始することに。残り3周のバックの出口から原田が上昇開始。コーナーで並ばれた脇本は即座に引き,原田もそのまま前を叩きにはいかなかったので,2番手の内藤と3番手の原田,6番手の諸橋と7番手の脇本の車間がそれぞれ開く形での一列に。この隊列のままバックに入って原田が発進。山田を叩いて打鐘からの先行。追い上げた脇本は一旦は5番手の山田の外を併走し,立て直して再びホームから発進。バックで前を飲み込もうかというところで松浦が番手から発進。脇本が少しだけ前に出ていましたが,松浦が内で食い下がる形でコーナーを通過。直線の入口で松浦の内からの牽制が効果的で,ここで前に出た松浦が優勝。再び詰め寄った脇本が4分の3車身差で2着。脇本マークの古性が半車輪差で3着。
 優勝した広島の松浦悠士選手は4月の武雄記念以来の優勝。ビッグは3月のウィナーズカップ以来の3勝目。GⅠは昨年の競輪祭以来の2勝目。このレースは脇本の脚力が上位ですが,高松宮記念杯の決勝の内容から,松浦は自力でもある程度は太刀打ちできそうと思っていました。それが原田をマークというレースになったので,任された原田がどういう競走をするのかということが注目のひとつ。それほど先行が多いという印象はなかったのですが,ここは駆けていくつもりだったようです。後ろに位置して,脇本より前に出た後,すぐに山田を押さえるのではなく,車間を開けた3番手のままバックまで進めたのがうまく先行できた要因で,松浦の優勝に大きく貢献できたといえるでしょう。松浦が番手から捲れば脇本でも簡単にその上をいくことはできないかもしれないとみていたので,配当は思いのほかついたように感じます。

 オランダでスピノザを訪問する前に,ライプニッツGottfried Wilhelm LeibnizがアムステルダムAmsterdamで会った人びとのうち,後に遺稿集Opera Posthumaの編集者となるのは,シュラーGeorg Hermann Schuller,マイエルLodewijk Meyer,イエレスJarig Jellesの3人です。そしてライプニッツがこの3人と面会したのは,いずれもこのときが初めてでした。
                                        
 このうち,シュラーに関しては,面識こそなかったものの,相識であったと考えられます。オランダを離れた後のチルンハウスEhrenfried Walther von Tschirnhausは,シュラーを介してスピノザと書簡のやり取りをしていました。それはチルンハウスがパリに移ってからも同様です。チルンハウスはライプニッツに『エチカ』の草稿を読ませようとして,そのことの許可を求める手紙もシュラーを介してスピノザに伝えられました。それが,おそらくはライプニッツの名前が出ているために遺稿集には掲載されなかった書簡七十です。この返信である書簡七十二も,たぶん同じ理由から掲載を見送られたのですが,このときにスピノザがライプニッツに『エチカ』の草稿を読ませることを拒否した部分は,ふたつの解釈が可能と思われます。スピノザは,フランクフルトの顧問官だったライプニッツが,なぜフランスにいるかが不明という理由で,このときに草稿を読ませることを拒絶したのですが,同時に,かつてのやり取りからは,ライプニッツが自由な精神をもち,あらゆる科学に通じた人物であると推測されるという主旨のことをいっています。つまりスピノザは,ライプニッツが何らかの計略から『エチカ』の草稿を読もうとしているのではないかと疑っていたために,それを読ませることを拒否したのですが,同時にライプニッツが純粋な知的好奇心からそれを読みたがっているかもしれないとも思っているのです。
 しかし現在の文脈で重要なのは,フランクフルトの顧問官がパリにいる理由が不明であるという部分です。これは直接的に解釈すれば,ライプニッツがパリにいる理由が分からないという意味ですが,もしかしたらスピノザはライプニッツがパリにいるということを知らなかったというようにも解釈できるでしょう。もしそうであれば,パリに移ってからのライプニッツとスピノザの間では,書簡が交わされていなかったことになります。
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