スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

オークス&属性の共通概念

2011-05-22 18:41:21 | 中央競馬
 3歳の牝馬にはやや過酷と思える条件での戦いとなるのがオークス
 好発から一旦はライステラスが先頭に立ちましたがこれを交わしてピュアブリーゼの逃げ。シシリアンブリーズを含めた3頭が後ろをやや離す展開になりました。最初の1000mは60秒5でこれはミドルペース。
 直線に入るとこれらの後ろに位置していたスピードリッパーが内に切れ込むような形となり,真中団から追い上げてきたエリンコートと接触。この不利をはねのけたエリンコートが逃げ粘るピュアブリーゼに並び掛け,その外に後方から追い込んできたホエールキャプチャが加わって3頭の争いに。ゴール前で抜け出たエリンコートがクビ差で優勝。ホエールキャプチャの追撃をハナだけ凌いだピュアブリーゼが2着で,ホエールキャプチャが3着。
 優勝したエリンコートは7月の函館デビュー。3戦目に初勝利を飾ると昇級後も崩れなく走り,ここにきて500万,オープンと連勝。今日はその上昇度を生かしての勝利。ただ,本当の意味でトップに立ったのかといえば,まだそうはいいきれないような面があると思います。父は2003年と2004年のJRA賞最優秀短距離馬のデュランダル。曾祖母の妹がバレークイーンですので同じ一族です。Erin Courtはアイルランド宮廷。
 騎乗した後藤浩輝騎手は昨年の安田記念以来の大レース制覇でオークスは初勝利。管理している笹田和秀調教師はこれが大レース初勝利。

 有限な知性による属性の認識の無謬性は明らかになったと思います。
 さて,有限知性が虚偽を真理から分かつためには,その有限知性のうちにたったひとつで構わないから十全な観念があるということだけで十分なわけですが,もしもある属性についての認識を真理と虚偽とに分かつというときに,その属性の十全な観念がその知性のうちにあるとするならば,この無謬性はさらに強化されることになるものと思います。実は僕はこうしたことがどんな有限知性の,認識し得るどんな属性の認識にもいえると考えているのです。そこでここでは,人間の知性による延長の属性の認識というのを例材に探求していくことにしましょう。そのための鍵となるのが共通概念です。
 ドゥルーズが示したように,共通概念というのは,第二部定理三八に示されているような一般性のとても高いものから,第二部定理三九でふたつのものにだけ適用されるような,一般性がきわめて低いものまで多々あります。そして現実的に実在する人間というのが第二部定理四〇のような仕方で多くの十全な観念を獲得していくためには,一般性の低い共通概念の方が実際には重要となってきます。しかし属性,ここでは延長の属性ですが,延長の属性の認識というものが共通概念としてあり得るのだとすれば,これは一般性としては非常に高い,というかそれ以上に高いものはないといっていいほど高いでしょうから,前者の方をここでは用いるということになります。
 すでに別の観点から説明したように,この定理は,実際に共通概念が人間の精神のうちに現実的に実在するということを意味しているわけではありません。しかしそのことは第二部定理三八系で示されていますから,それを利用することにします。
 ここではすべての人間に共通の観念が存在するといわれていますが,延長の属性の観念というのはこれに該当すると思います。なぜなら,この証明でスピノザが示しているように,岩波文庫版の111ページ,第二部自然学①補助定理二によりすべての物体というのはいくつかの点において一致しますが,そのことのうちには,物体というのが延長の個物であるということが当然ながら含まれていると考えなければならないと思うからです。これは当然といえば当然のことかもしれませんが,一応はもう少し考察しておくことにします。
コメント
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