スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ヴィクトリアマイル&第二部定理四二

2011-05-15 18:34:50 | 中央競馬
 春の最強牝馬決定戦という位置づけの第6回ヴィクトリアマイル
 オウケンサクラが1頭でかなり後ろを離しての逃げ。このラップは前半の800mが44秒6という超ハイペース。もっともほかの馬にはそんなに影響はなかったかもしれません。アパパネが中団よりやや後方でブエナビスタがその直後。
 暴走したオウケンサクラは坂下で一杯。満を持すように先頭に躍り出たのがレディアルバローザ。これに外からアパパネが迫り,さらに外から追い込んだのがブエナビスタ。3頭はそれほどの差がなく入線しましたが,優勝はアパパネ。2着がブエナビスタで3着にレディアルバローザ。
 優勝したアパパネは昨年の秋華賞以来の大レース5勝目。純粋な能力では2着馬の方が上だろうと思いますが,この距離であれば十分に太刀打ちできるところなのでしょう。猛追を凌ぎきり,古馬としても頂点に立ったわけですから,非常に価値が高い勝利であったと思います。父はキングカメハメハ。Apapaneはハワイに棲息する鳥。
 騎乗した蛯名正義騎手,管理している国枝栄調教師は秋華賞以来の大レース制覇で,ヴィクトリアマイル初勝利。

 一般に真理とは何かというならば,これは真の観念あるいは同じことですが十全な観念の総体のことです。いい換えれば真理一般に対してある十全な観念というのは,個々の真理であるということになります。ではこれに反して虚偽とは何であるかといえば,実は虚偽一般とは誤った観念ないしは混乱した観念の総体のことであるということにはならないのだと僕は考えています。むしろ虚偽とは真理から外れるすべてのもの,いい換えれば真理の否定のことであり,ある真理を否定するような力,それが力といえるのかは微妙ですが,そうした力というのがある知性のうちに現実的に存在する場合には,その混乱した観念も同時にその知性のうちに現実的に発生する,というか発生しているのだと僕は理解しています。これについては,当面の探求とはあまりにかけ離れてしまう上に,詳しく説明するためにはそれなりの量が必要になりますからここでは詳述しませんが,基本的には第二部定理四九と,混乱した観念のうちにもその観念を肯定するような意志が含まれているということに注意すれば,こうしたことが帰結されると思います。
 現在の考察と照らし合わせた上で重要となるのは,このゆえに,真理と虚偽とを分つのは,真理である,真理だけであるということです。『エチカ』においてこれを示しているのが第二部定理四二です。
 「我々に真なるものと偽なるものとを区別することを教えるのは,第一種の認識でなくて第二種および第三種の認識である」。
 書かれている表現は異なりますが,第一種の認識というのが事物の混乱した認識を意味し,第二種の認識と第三種の認識は前者が理性的で後者が直観的というように方法は異なりますけれども,ともに事物の十全な認識を示すというのは第二部定理四〇の備考二にある通りですので,いわれている内容は同一です。また,スピノザによるこの定理の証明というのは,真理と虚偽を分かつために必要なのは,真理と虚偽についての真の観念ないしは十全な観念であるということに訴えていて,虚偽がどういうものであるのかということに触れているわけではありませんが,どのようにして知性が真理を虚偽から分かつことが可能になるのかということを説明する方法としては,やはり同一であるといっていいでしょう。
コメント
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