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スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

NHKマイルカップ&本性の認識

2011-05-08 18:50:42 | 中央競馬
 はっきりとした軸馬が不在で,混戦模様となった今年のNHKマイルカップ
 発馬は揃いましたがコティリオンはダッシュがつかずに最後尾。フォーエバーマークの逃げとなり,向正面では2番手とやや差が開きました。グランプリボスは掛かりそうなのをぐっと抑え込むといった感じで中団。リアルインパクトやダンスファンタジアがほぼ同じ位置取り。前半の800mは45秒7でこれはミドルペース。
 先行していたエイシンオスマンやプレイが粘るところ,坂下から馬場の中ほどに持ち出されたグランプリボスが一気の伸びでこれらを捕え,そのまま抜け出しての快勝。直線入口でもほぼ最後尾だったコティリオンが大外を鋭く伸びて2着。内から馬群を捌いて伸びたリアルインパクトが3着。
 優勝したグランプリボスは昨年の朝日杯フューチュリティステークス以来の大レース2勝目。今年の2戦は明らかに折り合いを欠く内容でそれでも小差の掲示板確保。抑え込めれば能力は高いので順当な勝利ともいえます。そういう意味ではやはり騎手の腕が大きかったかもしれません。今日の内容だともう少しはこなせそうですが,距離には限界があるタイプだと思われます。父は死亡したばかりのサクラバクシンオー
 騎乗したオーストラリアのクレイグ・ウィリアムズ騎手は日本では昨春の天皇賞以来の大レース2勝目。管理する矢作芳人調教師は朝日杯フューチュリティステークス以来の大レース2勝目。

 僕の疑問がどういう類のものであるのかということを理解してもらうために,先に,混乱した観念ではなく,十全な観念と観念されたものideatumの関係がどういうものであるのかということを確認しておくことにします。こういう場合の好例として,ここでも平面上の三角形の観念を利用します。
 平面上の三角形の本性には,内角の和が二直角であるということが含まれます。よって,人間の精神がこの三角形を十全に認識するならば,その観念のうちには,その図形の内角の和が二直角であるということが必然的に含まれています。すなわちその内角の和が二直角であるということなしでは,三角形の十全な観念というのは,これは人間の精神に限らず,どんな知性のうちにもあることができません。しかし一方で,もしもある図形に関して,その内角の和が二直角であるということを知性が認識するという場合には,そうした図形というのは平面上の三角形以外には存在しないわけですから,すでにこの十全な認識のために,この三角形の十全な観念があるということが前提となっています。これは第二部定理四九の証明で,スピノザが個々の観念と個々の意志作用の同一性を示すときに用いているのと同一です。
 そこで今度はこれを属性に当てはめてみます。すると,第一部定義四というのは,認識論的に理解するのであれ実在論的に理解するのであれ,属性というのはある実体の本性を構成しているという点では変わりありません。したがって属性と実体との関係というのは,内角の和が二直角である図形ということと,平面上の三角形との関係に同一であるということになるでしょう。いい換えれば,知性が属性を十全に認識するということは,その属性によって表現される実体の認識を前提しているということになりますし,逆にある実体を十全に認識するということは,その実体を構成している属性というのを十全に認識しているという意味でなくてはならないことになります。すなわち,平面上の三角形の認識とその内角の和が二直角であるという認識が,十全な認識である場合には,一方がなければ他方が,しかし他方がなければ一方があることができない関係であるように,実体と属性の十全な認識の場合にも,双方がもう一方に対して不可欠な認識となっているのです。
コメント
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