スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

デイリー盃大井記念&共通概念の意識

2011-05-26 18:43:41 | 地方競馬
 南関東所属馬にとって,帝王賞へのステップレースと位置付けられる大井記念は,昨晩の大井競馬場で争われました。前日に町田直希騎手が大怪我を負ったため,ツルオカオウジは石崎駿騎手に変更。
 絶対に逃げたいというような馬はいませんでしたし,距離も長いだけに最初の1000mが63秒2というスローペースとなったこともあり,入れ替わり立ち替わりで隊列が落ち着くまでにはかなり時間がかかりました。1周目の正面を過ぎたところでようやくシーズザゴールドが先頭に立ち,これが逃げの態勢を作りました。しかし向正面に入るとマズルブラストが進出し,3コーナーでは先頭。さらにセトノギムレットが2番手に上がりました。
 早めの仕掛けでしたがマズルブラストの脚色は直線でも衰えることなく,むしろ後ろを離して抜け出しました。発走直後は先頭にいて,その後は控えたツルオカオウジだけは猛追し,ゴール前では並ぶところまでいきましたがわずかに届かず,マズルブラストの優勝。ツルオカオウジは惜しい2着で4馬身差の3着には後方待機から向正面で漸進を開始したタートルベイ。
 優勝したマズルブラストは昨年の金盃以来の南関東重賞5勝目。大井記念は2007年にも勝っていて2勝目。今年の正月にはオープンを勝っていて,最盛期ほどの力はないものの極端に能力が減退しているわけではないというところは見せていました。距離の適性ではこのメンバーでは上位と思われましたし,早めに仕掛けて粘り込む競馬をした鞍上の手腕も大きかったと思います。
 騎乗した大井の戸崎圭太騎手は前開催の東京プリンセス賞に続いてまたも南関東重賞制覇。大井記念は初勝利。管理する船橋の川島正行調教師は2007年以来の2勝目。このコンビの勢いはどこまで続くのでしょうか。

 第二部定義一でスピノザが示している内容は,現実的に存在するどの人間の精神のうちにも共通概念として,いい換えれば十全な観念としてあるということについては,これで断定してよいと思います。ただ,これはこのブログの中においてたびたび指摘してきたことではありますが,ある人間の精神のうちにたとえばAの十全な観念があるということは,いわばその人間の無意識のレベルに関しての言及です。だから,現実的に存在する人間の精神のありようという観点からいうならば,このことは,第一部定義一の内容に関して,すべての人間が常日頃からそれを意識しているということを意味するものではありません。これもすでに何度か指摘してきたことですが,観念というのが人間の無意識のレベルを意味するとすれば,意識のレベルとしては観念の観念というのがそれに該当するからです。
 そうはいっても,現実的に存在するある人間がAというものを意識するために,つまりAの観念の観念を自身の精神のうちに形成するための必要条件は,Aの観念がすでにその人間の精神の一部を構成しているということだけであり,またこの条件は,必要条件にして十分条件でもあります。よって,もしもある人間の精神のうちにAの観念があるという場合には,そのことについて反省的でありさえすれば,この人間はそれを意識することが可能であるということになります。したがって,現実的に存在するどの人間の精神のうちにも第二部定義一に示されているような事柄が十全な観念としてあるのであれば,少なくとも現実的に存在するすべての人間は,それに関して反省的な考察を行うことによって,それを意識することができるということも,同時に断定してよいということになると思います。
 ところで,現在は人間の精神による物体の認識に関する共通概念をひとつの例材として探求を進めていますからこのような結論となるわけですが,同様のことが,人間の精神による観念,あるいは思惟の様態の認識についても妥当すると僕は考えます。というのも,第二部公理五が示しているところによれば,人間は物体を認識しますが,思惟の様態も認識します。したがってこれまでにしてきたのと同様の訴訟過程を経れば,第二部公理三により思惟の様態のうち第一のものである観念についても,物体と同じことがいえる筈だからです。
コメント
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