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スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

秋華賞&概念

2007-10-14 19:08:49 | 中央競馬
 史上空前,そしておそらく絶後になるであろう好メンバーでの争いになった今日の第12回秋華賞
 先手を奪ったのはヒシアスペン。ダイワスカーレットが2番手で,3番手にはザレマ。前半の800メートルは46秒4.どう評価するかは微妙ですが,まあ最近の傾向からすればミドルペースであったと思います。ただ意外なほどに縦長にはなり,ウオッカは後方から4・5番手,ベッラレイアは後方2番手を追走。
 2コーナーではやや掛かっていたくらいで,ダイワスカーレットには楽なペース。3~4コーナーの中間で自然に先頭に立つと,直線に入っても脚色は衰えず,そのまま快勝。ウオッカはコーナーで大外を回って追い上げてきましたが,先に中から抜け出していたレインダンスを捕まえきれずに3着。ベッラレイアは直線に入るところでまだ最後尾。そこから一番外を追い上げましたが4着が精一杯でした。
 優勝したダイワスカーレットは春の桜花賞に続いて大レース2勝目。松田国英調教師もそれ以来の大レース制覇で,安藤勝己騎手は安田記念以来の大レース制覇。父はアグネスタキオン,母系はスカーレットインクの一族で,その安田記念を勝ったダイワメジャーの半妹。能力的に抜けていたわけではないと思うのですが,今日は強力なライバルがかなり控えてくれたために,随分と楽に勝てたという印象です。オークスは発熱して出られませんでしたが,出ていたらあるいは牝馬三冠を達成していたのではないでしょうか。
 ウオッカはかなり外を回るロスがありながらよく追い込んできていると思います。ここが秋初戦でしたので,順調さで下回っていたのも敗因のひとつでしょう。ただ,もう少し前でレースを進めてもよかったという気はします。
 同様のことはベッラレイアにもいえ,この馬の場合にはオークスでいいレースをしていただけに今日の位置取りは残念でした。ダイワスカーレットに前であれだけ楽をされては勝てるわけもなく,何らかの事情はあったものと思いますが,少し首を傾げたくなるような騎乗でした。

 精神mensのほかにもうひとつ,第二部定義三で僕が注意するべきこととして考えているのは,観念ideaとは概念であるといわれているときの,概念とは何かということです。もっともこれについてはわざわざスピノザが説明を付しているわけですから,とくに僕がそれを強調することはないのかもしれません。
 そのスピノザ自身の説明によれば,ここでいう概念というのは,ある主体が事物を認識する場合に,受動的に認識することを示唆する知覚perceptioに対して,能動的に認識する概念conceptusであるということになっています。もちろん岩波文庫版の『エチカ』の訳者である畠中尚志が,ここに訳注を付け,また,上巻の冒頭の『エチカ』についてでも指摘しているように,スピノザにはこうしたタームの使用に関してはわりとルーズな側面があり,実際,『エチカ』の中においても,本当は概念,あるいは概念するconcipereというべきところを,知覚,あるいは知覚するpercipereといってみたり,あるいはそれとは逆のケースもあることは事実だと思います。しかし,この部分においては,わざわざここにスピノザ自身がこの説明を与えているわけですから,ほかの部分におけるタームの使用のルーズさには関係なく,やはり観念とは概念である,すなわち,観念とは,精神が能動的に形成するような認識cognitioであると理解するべきなのではないかと思います。
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