スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

東京記念&様態的変状

2007-10-04 21:30:57 | 地方競馬
 いまや数少なくなった長距離重賞のひとつ,今晩の第44回東京記念
 ホクトアサティスの逃げを予想していましたが,サンキョウチャイナの先導。ホクトアサティスが2番手で3番手にメーンエベンター。前半の1000メートルは64秒5で,普通に考えればこれは超スローペースといえるのですが,このメンバーですからミドルペースなのかもしれません。
 残り1000メートルのあたりでペースが上がり,メーンエベンターが上がっていくと,ホクトアサティスは早くも後退。替わってウエノマルクンが上昇し,3頭が一団になりましたが,メーンエベンターが楽な感じで直線に入ると抜け出しました。これはこのまま快勝と思ったのですが,残り200メートルを過ぎたところで急激に脚色が一杯になり,鋭い脚がないために一旦は離されたウエノマルクンがばてることなく伸びてきて,ゴール前でこれを交わして優勝。メーンエベンターが2着で,3着には後方から脚を伸ばしたジルハーが入りました。
 優勝したウエノマルクンはこれが南関東重賞初制覇。長距離に適性があり,今日はそれを生かしての勝利といえますが,メンバーに恵まれたのも確か。最近の南関東は古馬のオープンの層の薄さは目を覆うばかりのものがあり,もう8歳というとうの立ったこの馬の勝利はその象徴といえなくもないと思います。大井の鈴木啓之騎手にとっても久々の南関東重賞制覇となりました。

 明日から向日町競輪場で共同通信社杯が始まります。やはり山崎選手が中心でしょうか。

 実はこの変状の解釈は,このブログで扱った事柄でいえば,たとえば第一部定理二二の意味などに少し関係しているのではないかと僕は思っています。スピノザはこの第一部定理二二において,様態的変状に様態化するという表現を用いています。第一部定理二二は間接無限様態に関する定理ですが,これは間接無限様態がそこから生じるということについての言及ですので,この表現は直接無限様態についていわれていると考えていいと思います。実際,次の第一部定理二三でも,スピノザは直接無限様態について,やはり同様に様態的変状に様態化するといういい方をしています。
 これまでは,この様態的変状に様態化するということについては,岩波文庫版の訳者である畠中尚志の解釈に倣い,単に様態に変状するというように理解してきました。しかし厳密にいうと,僕は様態に変状するというのと様態的変状に様態化するというのとでは,若干の相違があるのではないかと考えていて,とくに様態的変状に様態化するというのが,直接無限様態の場合にのみいわれ,有限様態の場合にはいわれていないという事実から,この相違が,無限様態と有限様態すなわち個物との相違,要するに無限様態が有限ではないのに対して個物が有限であるということと,何らかの関係をもっているのではないかと感じるのです。実際,様態に変状するというのは,明らかに属性が様態という状態に変化したということを意味するように思われるのに対し,様態的変状に様態化するといえば,様態のような状態に変化した,というようにも思えるからです。
 もしこの推測が正しければ,変状の解釈によって無限様態が属性による限定を被らないと結論するために,ひとつの補強材料になると思います。
 このテーマは今日で終了とします。明日から少しまとめます。
コメント
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