浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

良い商品は本当にすべての問題を解決するか?

2009-04-27 17:16:50 | 仕事
どうすか、皆さん、景気は。

悪い悪いと言っていても仕方ないんで、出来ることをみんなで考えましょう。

今日は、ひとつ、ビジネスにおける間違った信仰について話します。

「よい商品はすべての問題を解決する」

という言葉があります。

カルロス・ゴーンさんの言葉らしいですが。(ちょっと検索したんだけど出てこないので間違ってるかも知れません)

この言葉自体が間違っているとは思わないんですが、ここには隠された言葉がある。

僕がちゃんと表現するとこうなる。

「一握りの天才だけが開発できる、世界唯一レベルの商品はすべての問題を解決する」

確かに、どの人も欲しがるめちゃくちゃいい商品なら、すべての問題を解決すると思う。セールスマンが「売れねー」と言うことも無いだろうし、マーケッターがコストをかけてマーケティングをする必要もない。商品は勝手に売れていき、万々歳でしょうさ。

でも考えて見てくださいよ。

そんな商品は一握りの天才だけしか考えつきません。

だから、最初の言葉(良い商品はすべての問題を解決する)を信じて経営をするのは僕は非常に危険だと思う。

その言葉を信じて、一生懸命商品開発して、中途半端に良い商品が出来て「おーっしこれで行くぞー!」と意気込んで失敗することなんてあるじゃないですか。

もちろん商品開発もすっごく重要だし、それをしていない企業は滅びるけど、決して「すべての問題を解決するような商品」を開発しよう、と考えるのではなく、「よい商品を作ろう」と努力し続けるのが大事だと思うね。

前者は言わば「満塁ホームランを打つ!」と毎打席立つようなもので、そんなの巧く行くはずが無い。

満塁ホームランだけ狙うとそりゃ仕事も粗くなるし。

「名経営者が、なぜ失敗するのか?」という本を昔、読んだんですがこの中にも「聖杯探し」という表現で「ありえないような良い商品を作ろうとすることで失敗する」ということが出てた気がする。

シドニー・フィンケルシュタイン,橋口 寛(監訳)
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この本、めちゃくちゃ面白かったんでまた読みたいんだけど本棚の奥のほうに仕舞ってしまったらしく見当たらないのよ。もう一冊買おうかしら(←ばか)


おっしゃるとおり、聖杯(≒世界唯一の商品)を探すより、むしろ「毎打席、塁に出るんだ」と考えて、着実にヒットを重ねる、という考えのほうがいいんじゃないかと思う。そうしているとそのうちラッキーなホームランも打てるかも知れないしね。


話は変わるけど、僕は「よい○○はすべての問題を解決してくれる」と思っているものがある。

それは、お客さん。

たとえ商品が未熟でも、セールスマンのスキルが低くても、景気が悪くても「お宅の商品なら信頼しているから買うよ」というお客さんがいればだいたいの問題は解決する。

セールスマンはそういうお客さんから勇気付けられ、更には紹介ももらえるかも知れない。

そうやって仕事って回ってくもんじゃないの?
コメント (2)
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