今回のテーマソングです。
Dvorak:交響曲第9番 「新世界より」 「第2楽章」
実家はどこですか?と聞かれると僕はだいたい「茨城県の鹿島です」と答えている。
これは嘘でもないけど事実か、といわれるとちょっと違う。
本当は鹿島郡神栖町、というところ。
最近、隣の波崎町と合併して市になったんだけどどうも「神栖市」という呼び名には慣れない。
「神栖」と答えても誰も知らないので手っ取りばやく「鹿島」と答えるようにしている。まぁ鹿島郡なので嘘でもないんだけどね。
鹿島というところは古くからの歴史もあって、工業地域があるところ。そして神栖は鹿島の工業地域に勤める人々が家を建てて住む新興住宅街という側面と古くからの農家の人々が入り混じっている町。
なぜか分からないけどかなり税収は潤沢にあり、うわさによると人口対比で日本で一番裕福な町、とのことだけど本当かしらん。
確かに道路は綺麗だし、公共施設もかなりそろっている。たとえば町の中心を通る「国道124号線」(関係ないけど順列できれいだよね、この三桁)は鹿島、神栖、波崎を通っているわけだけど、鹿島から通ると神栖に入ったとたん、道幅は広くなり綺麗になる。そして波崎に入るとまた狭くなる。
お金があるので公共施設はばんばん立てるし、小さな道路でもどんどん舗装されていく。立派な道路の先にあるのは田んぼだけ、というところだってたくさんある。
とはいえ残念ながら有名な観光施設があるわけでもないので、全国的に言えば無名。
茨城県に関わる人と話すとき以外、「神栖」なんていう単語が出てくることはまぁまず無い。たまにマニアックなサーファーがわざわざ東京から行ったりするかな。人は良いし、米は旨いしいいところなんだけどねー。
その「神栖」を舞台にした小説が出た。
『新世界より』
そのせいかずいぶん気になっていた。
とはいえ上下巻1000ページの大作。ちょっと二の足を踏んでいたんだけど図書館で借りられたので上巻を一気読みしたのが2月のこと。それからなかなか下巻の予約が取れなかったんだけど、こないだの土曜日にやっと借りられました。それで日曜には一気読み。
ストーリーとしては、今から1000年後の日本。その時代、日本の総人口は5万人程度で、人々は全国9つの町に別れて暮らしている。
主人公がいるのは神栖66町。そこに住んでいるのは3,000人程度。
1000年前にあったような機械文明は滅び、人々は「呪力」といういわゆる念力を使い生活している。既に車や飛行機、電話すらない社会でたとえば移動をするにも呪力を基に舟を動かし。食料や雑貨の調達はバケネズミといわれるネズミの進化した動物を使役している。
その町に伝わる恐ろしい伝説、悪鬼と業魔。人々は自分たちの呪力を同じ仲間である人間には使えない、というストッパーがあるものの、ごく稀にそのストッパーが効かない殺人鬼が生まれることがある。それを封じるために町の周りには「八丁標」と呼ばれるしるしで封鎖がされてしまっている。
越えてはいけない八丁標を越えてしまった全人学校(小学校みたいなもの)の生徒たち、、、というところから物語が始まる。
よくもまぁ、こんなにたっぷりとした小説を書いたもんだ。このヴォリュームだけでもうこれは面白い面白くない、って話じゃあないね。いや、面白いんだけど。ここまでいい意味で荒唐無稽な世界を構築できる、というだけで感動に値するね。
分厚いハードカバー上下巻を見ただけで物怖じしちゃうと思うし、もともとがモダンホラーを書くことが多い作家だからグロテスクな表現もあって、万人にお勧めする、ってわけじゃないけど、それでも、読んで損はしないっすよ。
Dvorak:交響曲第9番 「新世界より」 「第2楽章」
実家はどこですか?と聞かれると僕はだいたい「茨城県の鹿島です」と答えている。
これは嘘でもないけど事実か、といわれるとちょっと違う。
本当は鹿島郡神栖町、というところ。
最近、隣の波崎町と合併して市になったんだけどどうも「神栖市」という呼び名には慣れない。
「神栖」と答えても誰も知らないので手っ取りばやく「鹿島」と答えるようにしている。まぁ鹿島郡なので嘘でもないんだけどね。
鹿島というところは古くからの歴史もあって、工業地域があるところ。そして神栖は鹿島の工業地域に勤める人々が家を建てて住む新興住宅街という側面と古くからの農家の人々が入り混じっている町。
なぜか分からないけどかなり税収は潤沢にあり、うわさによると人口対比で日本で一番裕福な町、とのことだけど本当かしらん。
確かに道路は綺麗だし、公共施設もかなりそろっている。たとえば町の中心を通る「国道124号線」(関係ないけど順列できれいだよね、この三桁)は鹿島、神栖、波崎を通っているわけだけど、鹿島から通ると神栖に入ったとたん、道幅は広くなり綺麗になる。そして波崎に入るとまた狭くなる。
お金があるので公共施設はばんばん立てるし、小さな道路でもどんどん舗装されていく。立派な道路の先にあるのは田んぼだけ、というところだってたくさんある。
とはいえ残念ながら有名な観光施設があるわけでもないので、全国的に言えば無名。
茨城県に関わる人と話すとき以外、「神栖」なんていう単語が出てくることはまぁまず無い。たまにマニアックなサーファーがわざわざ東京から行ったりするかな。人は良いし、米は旨いしいいところなんだけどねー。
その「神栖」を舞台にした小説が出た。
『新世界より』
そのせいかずいぶん気になっていた。
とはいえ上下巻1000ページの大作。ちょっと二の足を踏んでいたんだけど図書館で借りられたので上巻を一気読みしたのが2月のこと。それからなかなか下巻の予約が取れなかったんだけど、こないだの土曜日にやっと借りられました。それで日曜には一気読み。
ストーリーとしては、今から1000年後の日本。その時代、日本の総人口は5万人程度で、人々は全国9つの町に別れて暮らしている。
主人公がいるのは神栖66町。そこに住んでいるのは3,000人程度。
1000年前にあったような機械文明は滅び、人々は「呪力」といういわゆる念力を使い生活している。既に車や飛行機、電話すらない社会でたとえば移動をするにも呪力を基に舟を動かし。食料や雑貨の調達はバケネズミといわれるネズミの進化した動物を使役している。
その町に伝わる恐ろしい伝説、悪鬼と業魔。人々は自分たちの呪力を同じ仲間である人間には使えない、というストッパーがあるものの、ごく稀にそのストッパーが効かない殺人鬼が生まれることがある。それを封じるために町の周りには「八丁標」と呼ばれるしるしで封鎖がされてしまっている。
越えてはいけない八丁標を越えてしまった全人学校(小学校みたいなもの)の生徒たち、、、というところから物語が始まる。
よくもまぁ、こんなにたっぷりとした小説を書いたもんだ。このヴォリュームだけでもうこれは面白い面白くない、って話じゃあないね。いや、面白いんだけど。ここまでいい意味で荒唐無稽な世界を構築できる、というだけで感動に値するね。
分厚いハードカバー上下巻を見ただけで物怖じしちゃうと思うし、もともとがモダンホラーを書くことが多い作家だからグロテスクな表現もあって、万人にお勧めする、ってわけじゃないけど、それでも、読んで損はしないっすよ。