ミドリ色の屋根は永遠に~René Simardに首ったけ~

ルネ・ファンのルネ・ファンによるルネ・ファンのためのルネ・ブログ シマ姉のルネ・データ・バンク

ルネ・シマール物語②生いたち

2006年10月15日 | ルネ・シマール物語
 ケイブンシャのニュー・ソング・ブック臨時増刊号スーパーアイドル ルネ」は、現在でも私ルネ・コレクションであり、宝物です。

 その中から、特集記事「ルネ・シマール物語」を紹介したいと思います。

      ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

生いたち

 ルネ・シマールは、1961年、2月28日、カナダのケベック州、シクーティミに生まれました。カナダは、森林に囲まれた広い国土を持つ国で、英語を話す地域と、フランス語を話す地域に分かれています。これは、アメリカと同じく、ヨーロッパからの移民による建国の歴史によるもので、スイスのように、新聞も、雑誌も、テレビも、英語系、フランス語系に分かれています。ケベック州は、カナダ東海岸にあって、首府のオタワ、モントリオールと並んで、セント・ローレンス河を中心に発展してきた所です。

 ルネの家族は、大家族です。まずパパのジャン・ロック、ママのガブリエル。ルネの上には、現在21才と、19才の姉、オデットリン。18才と14才になる兄のマルタンレジスがいます。下には、10才の弟、ジャン・ロジェと、5才の妹、ナタリーがいます。その他に、パパのママには、10人以上の子供たちがいて、その子供たちにも、またたくさんの子供たちがいると言いますから全員が集まった時には、総勢50人以上。たいへんな騒ぎです!

 パパのジャン・ロックは、近くの木材工場で働いていました。と言ってもなかなか腕のいいコックで、しかも喉が自慢、工場で働く人々の人気者でした。パパもママも、敬虔なカトリック信者です。日曜は必ず教会に行きますし、その上、その頃パパは教会の聖歌隊のリーダーでした。
 ルネは、生れた時から、他の兄弟とちょっと変っていました。まるで女の子のような小さなやさしい顔をして、ひどく静かな子供でした。ただ、歌が好きで、3才の頃にはひとりで、いろいろな歌、カナダの童謡や、いつの間にか覚えた聖歌のたぐいを歌っていました。
 たとえば、「ル・プティット・ヴォアイエ」(小さな帆船)、「アー、ママン」(お母さん)、「ボンジュール・ラ・ヴィ」(今日は、人生)などと言う歌を歌って、家に集まった人々を楽しませていました。
 7才の時には、ルネはもう聖歌隊に入って聖歌隊のリード・ソプラノになりました。

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ルネ・シマール物語①

2006年10月15日 | ルネ・シマール物語
 ケイブンシャのニュー・ソング・ブック臨時増刊号スーパーアイドル ルネ」は、現在でも私ルネ・コレクションであり、宝物です。

 その中から、特集記事「ルネ・シマール物語」を紹介したいと思います。


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 6月30日、午後7時、第3回東京音楽祭は日比谷帝国劇場で開かれました。決勝に残った12人の世界中から選ばれたアーティスト達。アメリカから来たスリー・ディグリーズは、ソウル界の人気グループの一つで、グランプリの最有力候補です。日本の布施明も、また数々の賞をとった実力者です。
 6番目にステージに上がったのは、一人の少年でした。白い絹のシャツとパンタロン、ピンクのベルトをしたまるで天使のような少年、ルネ・シマール
 ルネは歌い始めました。オーケストラをバックに、白いライトを浴て、ルネの声は、どんな楽器より美しく、広い会場にひびきます。誰もがただ静かにルネの歌と、ルネの表情にとけていきました。歌が終わって、嵐のような拍手が始まるまで。
 グランプリの発表は、それから30分ほど後のことでした。そして、この大賞は、わずか13才のルネに与えられました。服部良一氏をはじめ、すべての審査員がルネを選んだのです。いつもなら割れる票が、今回は異例の全員一致の決定でした。ルネ・シマールの受賞は、少年の可愛らしさが評価されたのではなく、本当の歌の巧みさが評価されたためであることは言うまでもありません。
 特別ゲストのフランク・シナトラも、シナトラ賞をルネに与えました。シナトラに肩を抱かれてルネの瞳は、涙でいっぱいでした。そして、紅潮した頬に、こぼれて行きました。
 カナダでは、ルネ・シマールは、すでに大スターです。そして、カナダでは、こんな風に言われています。ーーフランク・シナトラの時代があり、エルヴィス・プレスリーの時代があり、ビートルズの時代があり、ルネ・シマールの時代が来たとーー。
 ルネは、その時、一時代を画した同じ大スター、尊敬する大歌手に肩を抱かれたのです。そこには世代を超えたアーティスト同士の友情が流れていました。
 翌日、ルネのグランプリ受賞曲「ミドリ色の屋根」は、初回プレスの3万枚を、午前中で売りつくしてしまいました。そして、ルネのファン・クラブでは、1週間で、すでに1万人を越えています!
 ルネ・シマール、この13才のスーパー・スターは、どんな男の子なんでしょう。

※ YouTubeより
http://www.youtube.com/watch?v=v3NM29JF0LE
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小さな生命④

2006年10月06日 | 小さな生命
 前回に引き続き「小さな生命」に込めたルネの想いを「セブンティーン」の特集記事より紹介いたします。

♪前回までのお話(「小さな生命①②③」)
http://green.ap.teacup.com/rene_simard/38.html
http://green.ap.teacup.com/rene_simard/39.html
http://green.ap.teacup.com/rene_simard/40.html


     ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

symbol1願いをこめて『小さな生命』を歌いあげる
========ルネの胸に秘められた愛

ボクの願いはただひとつ!

 ルネは、ナタリーの病室のまえにひざまずいた。祈った、祈り続けた。
 手をしっかりと組みあわせて祈り続けた。
「アベ・マリア・・・・ナタリーの小さな生命(いのち)をお救いください。かわれるものならナタリーの苦しみをこのぼくに・・・・。ぼくが雪のなかを連れだしさえしなければ、こんなことには。」
 ルネのほおを涙がつたって流れた。涙はあとからとめどなくあふれてきた。
 どれほど時間がたったのだろうか・・・・祈りつづけたルネが目をあけると、窓の外が白みはじめていた。
 そのときだった、ナタリーの病室のドアがあいて、ママがでてきた。
 ママはルネをやさしくだいていった。
「ルネ、もう心配しなくてだいじょうぶ。ナタリーは助かったのよ。」
「ママ!!」
 ルネはママの胸に顔をうずめて泣いた。
「ルネ、もう泣かないで。あなたのナタリーへの気持ち、マリア様はご存知だったのよ。ありがとう、ありがとう、ルネ・・・・。」
 そういうママも涙声だった。
ルネはママと並んで、ひざまずき、十字を切った。
「マリア様、ナタリーのいのちを救ってくださって、ありがとう・・・・。」
 祈りを捧げるルネのほおを、朝陽がバラ色に染めているのだった。
『小さな生命』を歌うたび、ルネはいつも思い出す。病院の白い壁、ナタリーの寝顔、そしてママのあたたかい胸・・・・。
 そして、なぜか胸がキュンといたくなるのだ。
「マリア様、ぼくたちの幸福がいつまでもつづきますように・・・・。」
 そう祈りながら、ルネはきょうも歌う。


    ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪



             小さな生命

     安井かずみ作詞 村井邦彦作曲 川口 真編曲

アヴェ・マリア 見て下さい
あなたのため野に咲く花を
つんで来ました

小さな命 どうぞ助けて
僕にとって たったひとりの
友だちだから・・・・・・

もし僕が代わりに
苦しめるものならば
なんでもします この手で 
できるかぎり・・・・・・

アヴェ・マリア あなたの愛
信じてます 美しい朝
見せて下さい

アヴェ マリア ジュ ヴ オフル トゥレ
Ave Maria, Je vous offre tres
ザンブルモン セ フルール
humblement ces fleurs
ジュ ブ ゾン シュプリ
Je vous en supplie
ソーヴェ マ プティットゥ スール
Sauvez ma petite soeur
ソーヴェ セットゥ プティットゥ ヴィ
Sauvez cette petite vie
エ レ マ スール アミ
Elle est ma seule amie
アヴェ マリア ジュ ヴ ゾン シュプリ
Ave Maria, Je vous en supplie


握りしめた指に
こめた 僕の願いが
ステンドグラスの光に
ふるえてます
アヴェ・マリア 一日でも
早く ここに 平和な朝を
返して下さい
 
    ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪


※間奏のフランス語のセリフの意味
 私の翻訳です。もっと適切な訳し方が有ると思います。
 仏語に堪能な方、お気付きの点がございましたらご指導下さい。

 アヴェ・マリア
 この花を あなたにそっと捧げます
 僕の願いを聞いて下さい
 妹を助けて下さい
 小さな命をお救い下さい
 妹は たった一人の友だちなのです 
 アヴェ・マリア、どうぞお願いします

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小さな生命③

2006年10月04日 | 小さな生命
 前回に引き続き「小さな生命」に込めたルネの想いを「セブンティーン」の特集記事より紹介いたします。

♪前回までのお話(「小さな生命①②」)
http://green.ap.teacup.com/rene_simard/38.html
http://green.ap.teacup.com/rene_simard/39.html


     ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

symbol1願いをこめて『小さな生命』を歌いあげる
========ルネの胸に秘められた愛

涙でとけた雪ダルマ・・・・

 ルネのお祈りを、マリア様は、ききいれてくれたのか、オデットは1か月ほどで退院、パパもやがて回復して、一家に明るい笑い声があふれるようになった。
 ルネの下には、ジャン・ロジェという弟がいたが、さらに妹のナタリーが生まれた。
 ルネはすっかりケベックの人気者になり、いよいよプロの歌手としてスタートしようとしていた、2年半前の冬のことだった。
 ルネは、2歳半になったナタリーと、戸外で雪だるまを作って遊んでいた。
 パパが病気だったため、6年ぶりに生まれた妹として、ナタリーは、家じゅうのアイドルだった。なかでもルネとナタリーは仲よしだった。
 ナタリーは毎晩、ルネの歌う聖歌をききながら眠った。ナタリーが眠りかかると、ルネは、そっとナタリーのおでこにおやすみのキスをする。
 それでナタリーは、やっと安心したように、眠りにつくのだった。
 ルネのお手つだいをしようと、ナタリーが両手にいっぱい、雪をかかえたときだった。ナタリーはばったりと雪の中に倒れた。
「ナタリー、どうしたの?」
 ルネが、ナタリーをだきあげると、ナタリーのからだは火のように熱かった。
 そして吐く息もあらく、ナタリーはぐったりとしていた。
「ママ、ナタリーが・・・・」
 ルネの悲鳴で、ママがいそいでお医者をよんだ。
 診断は、悪性の風邪で肺炎を併発しているというものだった。
 ルネは、自分のうかつさを責めた。ナタリーを喜ばせようと考えてのことだったけれど、ちょっと気をつければ、ナタリーのからだのぐあいが悪いことに、気づいたはずだ。
 その夜、ルネはナタリーの病院につききりだった。
 ほんとうは、ナタリーの病室で、ナタリーを見守っていてやりたかったのだけど、それは許されなかった。
 ルネは、胸を不安にふるわせていた。ナタリーの部屋に、看護婦さんやお医者が忙しそうに出入りする。
 リンゲル液・・・・ふとい注射針・・・・そして、酸素ボンベまでが持ち込まれた。
 ルネの目にも、ナタリーがいま、重大な時機を迎えていることが、はっきりと読みとれた。
「今晩がヤマ・・・・」
とささやく、看護婦さんの小さな声も、入ってきた。

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