ミドリ色の屋根は永遠に~René Simardに首ったけ~

ルネ・ファンのルネ・ファンによるルネ・ファンのためのルネ・ブログ シマ姉のルネ・データ・バンク

朝露のきらめき

2007年03月31日 | ルネの日本語の歌
 前回、日本で発売されたルネの3枚目のアルバムでセカンド・アルバムの「君のすべてがほしい/ルネ」から、カバー曲でありシングルカットされた同曲と、B面の「サヨナラ少年時代」を紹介いたしました。今回も、同アルバムの中から、ルネの日本語の曲を紹介していきたいと思います。

 このアルバムは、全曲日本語の曲による完全オリジナルのアルバムです。また、カナダでは、家族や自然や故郷をテーマにした歌がほとんどのルネにとって、その翌年に開催されたモントリオール・オリンピックを意識して作られた「この旗の下で」を除く、12曲中11曲が恋愛の歌というこのアルバムは、いろいろな意味で特別なものだったに違いありません。

 今回紹介いたします「朝露のきらめき」は、大好きな女の子と日曜日に逢えるのを楽しみにしている男の子の、可愛らしい恋の歌です。ルネが澄んだ伸びやかな声で、爽やかに歌い上げています。
 ルネは、それぞれの曲の歌詞の内容をきちんと理解し、その曲のイメージを的確にとらえて表現することができる歌手です。歌い方や声の調子だけでなく、振り付けも工夫して観客を楽しませてくれるエンターティナーでもあります。そして、とても勘が良い人です。説明すれば一度でその内容を理解してしまうと、当時の通訳だった道上雄峯氏が「完全スケジュール同行記」の中で書いていました。また、どんなに疲れていても、人前で疲れた顔を見せないプロの歌手なのです。その上、大ホールでのコンサートや大歌手との共演にも、プレッシャーで萎縮することのないステージ度胸の持ち主でもあります。決して、ただ可愛いだけの、歌の上手な男の子ではないのです。天使の歌声や人気の上にアグラをかかず、努力してきたからこそ現在のルネが存在するのです。

 ルネの魅力が最大限発揮されるのは、TV番組やステージで歌っている時です。全身全霊で歌うルネに魅了されない観客はいないでしょう。第3回東京音楽祭世界大会でも、ルネの歌を聴いた人たちに感動を与え、心をとらえてしまいました。
 その時の「ミドリ色の屋根」の印象が強裂すぎたため、他の曲の印象が薄くなってしまったくらいです。曲だけでは、本当のルネの良さが十分に伝わらないと思いますが、歌詞と共に、bebomusicographiesimardで紹介されている同曲をお楽しみいただきたいと思います。
http://www.bebo.com/MusicAlbum.jsp?MusicAlbumId=2636616829&MemberId=2591195085


      ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ 

         朝露のきらめき

   山上路夫/作詞 村井邦彦/作曲 松任谷正隆/編曲


楽しい日曜日 あなたに逢える
空さえあんなにも 明るく晴れた
ドアをあけゆこうよ あなたのもと
朝露 街路樹に かがやいている
世界はきらめく 僕らのために
いつでも二人の 愛を唄って

坂道かけおりて 電車に乗ろう
小さなパンジーの 花束買って
町をゆく人にも 教えたいよ
あなたの素晴らしさ 愛のよろこび
※世界はきらめく 僕らのために
 いつでも二人の 愛を唄って※

※~※くりかえし

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サヨナラ少年時代

2007年03月25日 | ルネの日本語の歌
 前回の記事で、全曲オリジナル日本語アルバムの「君のすべてがほしい/ルネ」から、「君のすべてがほしい」を紹介いたしました。同曲のシングル・カット盤のB面「サヨナラ少年時代」も同アルバムの収録曲です。

 「サヨナラ少年時代」は恋愛の曲ですが、このアルバムを購入した当時、すでに14才になっていたルネの変声期が頭をよぎり、曲名を見てドキリとしたものです。

 つらい別れのシーンから始まる歌詞。曲も最初は少し重い感じですが、後半は悲しみを振り切って大人になっていく少年の、未来を見つめる明るい眼差しを感じさせる、爽やかな曲に変わっていきます。
 作詞は「君のすべてがほしい」と同じく、詩人の岩谷時子さん。この当時、詩を書くのに凝っていた私は、「花の詩集」の中の彼女の詩がとても気に入っていたので、この2曲が彼女の作詞によるものと知って感激したのでした。そして、今この歌詞を改めて読んでみて思ったのですが、女性が作った詩というのを強く感じました。女性のロマンチシズムというか、少女時代特有のセンチメンタルへの憧れというか、男性の歌詞による他の曲とは違う、独特な甘さを感じます。女性じゃないと表現できない感性。だから私は、この詩に惹かれたのかも知れません。でも今読むと、ちょっぴりくすぐったい感じがするのは、私だけでしょうか。


 同曲も”musicographiesimard”に新しくアップされ、お聴きいただくことができますので、是非楽しんでいただきたいと思います。
http://www.bebo.com/MusicAlbum.jsp?MusicAlbumId=2636625890&MemberId=2591195085


     ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

         サヨナラ少年時代

   岩谷時子/作詞 村井邦彦/作曲 馬飼野康二/編曲

熱い涙がこぼれ落ちて
君の花束 濡らしてしまう
きっと笑って 別れようと
指をからめて 誓ったのに
汽車は愛の 窓とざして
今は声さえ とどかない
※二人の大事な幸せが
 遠くへ遠くへ 消えてゆく
 白い花びらを風に撒きながら
 あゝ少年時代よ サヨナラ

光るうぶ毛の可愛い頬よ
忘れないでね 一度のキスを
あまい悲しみ 胸に抱いて
旅は今日から始まるのさ
汽車の窓を叩きながら
黒い瞳も 泣いていた
 ※くりかえし
 二人でつないだ恋の糸
 継いでも継いでも切れてゆく
 二度と返らない夢を捨てながら
 あゝ少年時代よ サヨナラ




♪最新情報ルネ・パパの本♪
 ルネ・ファンの方のサイトで紹介されていました。これは”1”なので、”2”以降もアップされるのかしら? 3月7日発売の本の内容を公開したら、著作権法違反では?!・・・・なんて考えない!でも、また辞書首っ引きで訳さねば★
http://groups.msn.com/InconditionnelsdesSimard/extraitaudeladusilence1.msnw
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

君のすべてがほしい

2007年03月24日 | ルネの日本語の歌

 過去ログ「ルネが歌う日本語の曲」を書いた時、”bebo bands”では、まだアップされていない曲がたくさんありました。現在は、当ブログのゲスト様であるしゃむねこさんの働きかけで、ルネのコンサート・イン・ジャパンのライブ・アルバムや、シングル・カットされた日本語の曲がたくさんアップされています
http://green.ap.teacup.com/rene_simard/99.html

 また、beboのルネのサイトがアクセス不能になった時、ショックで熱を出した私に差しのべられた手こそが、しゃむねこさんからの、掲示板「ルネ・シマール日記」に書き込まれたbebo情報でした。

 私が”bebo bands”と紹介しているサイトは”bebo”。ルネの曲をアップしていらっしゃるのは、当ブログでも紹介しているのでお馴染みの”musee simard”、”videosimard”、”chansonsimard”のシャンタル(CHANTAL MANDEVILLE)さんでした。そして、beboでは”musicographie simard”です。トップ・ページも紹介文を書きかえましたので、そちらでもご覧ください。
 しゃむねこさんの情報で分かったのですが、”videosimard”で以前紹介し、現在見られなくなっている映像は、YouTubeにメンバー登録して管理人(”videosimard”ではシャンタルさん)に認められた方のみが視聴できるようになっています。シャンタルさんはYouTubeにもルネとナタリーの映像をアップしていますが、私が過去ログで紹介した以外にも興味深い映像がありますので、ご覧になりたい方は、是非YouTubeでサイン・アップからチャレンジしてください。私も今日メンバー登録を済ませましたよ。ユーザー・ネームがなかなか受け入れられなくて苦労してしまいましたが、普通なら簡単にできるはずです。

 さて、本当は、過去ログ「ルネが歌う日本語の曲」の後すぐに歌詞紹介の記事を書く予定でした。ところが「ミドリ色の屋根」をテーマにした記事に力が入ってしまったため、後回しになっていました。また、その続きでルネについての誤解を書き始めたら、書きたいことがたくさん出てきてしまい、引き続きそちらを書くつもりでいたのですが、せっかくルネの日本語の曲が聴けるようになっているのですから、歌詞紹介記事を先にしたいとおもいます。ちなみに、つい最近読んだコメントでは、そのブログ記事を読むまでルネのことを女の子と思っていた人までいたのでした(溜息)。


       ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪


 前置きが長くなりました。アルバムの帯に「ますます冴える歌唱力!全曲オリジナル日本語アルバム遂に完成!」と書かれているとおり、日本語の曲のみで編成されたアルバム「君のすべてがほしい/ルネ」から、タイトル曲「君のすべてがほしい」を紹介いたします。

 あの当時、発表される曲のほとんどが両親や家族、故郷や自然を歌った曲のカナダに対し、このアルバムの曲は、収録曲12曲中、モントリオール・オリンピックを意識して作られた「この旗の下で」以外全部が恋愛の歌なのは、国の違いでしょうか?それとも、カナダはルネの定着したイメージに合った曲を選曲し、日本ではイメージよりも売れ筋の恋愛の曲を歌わせたという感じなのでしょうか?
 曲については、歌詞とbeboの曲で十分にお楽しみいただいた方がよろしいと思いますので、私の語彙力の乏しい解説は省かせていただきます。






          君のすべてがほしい

       岩谷時子/作詞 馬飼野康二/作曲.編曲

ほほえむ瞳を ぼくに
かがやく歯を ぼくに
君のすべてが欲しい
ときどきぼく見つめ
思わせぶりだけど
僕は何も云えないよ
君は君は彼に恋を恋をしてる
ぼくにはなんでもわかる
君を愛しているからさ

ぬれてる声 ぼくに
ふるえる手を ぼくに
君のすべてが欲しい
ときどきぼく呼んで
素足でキスしても
ぼくは君を信じない
※嘘は嘘はやめて 彼と彼とお行き
 かなしいけれどもわかる
 君を愛しているからさ
 ※くりかえし



 好きだからこそ分かってしまう、愛しているから身を引く切ない恋の思いを見事に歌い上げていると思います。歌う時の表情も感情がこもっていました。ルネは歌詞に込められたメッセージや思いを的確にとらえて歌い方や声、表情だけでなく、全身で表現して歌うことができる歌手だと思います。皆さんはどう思われますか?

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

”ミドリ色の屋根”物語の背景

2007年03月18日 | ミドリ色の屋根
 「ミドリ色の屋根」と仏語版”Non ne pleure pas(泣かないで)”について、歌詞の内容の違いから、日本とカナダの違いについて考えてみました。

 なお、「ミドリ色の屋根」の歌詞はトップページで、”Non ne pleure pas”の訳詞は過去ログでご覧ください。
http://green.ap.teacup.com/rene_simard/102.html


♪歌詞の違いはお国の違い?!

 「ミドリ色の屋根」と”Non ne pleure pas”は、作曲家村井邦彦氏の曲に、さいとう大三氏M.コレ氏が日本語と仏語で歌詞を付けた歌です。
 歌詞の内容は、ほとんど同じに作られていますが、微妙な違いはお国の違いなのか?それとも、曲に合わせるために生じたのか?

 まず、どちらも両親は別居又は離婚しています。日本は「別れた」から「離婚」。カナダは「家を出た」ので「別居」という線も考えられます。そして、日本は現在住んでいる家を出て田舎のミドリ色の屋根の家に移り、カナダは現在の家に留まって暮らす。まあ、「別居」なら父が帰ってくる可能性があるので、そのまま住んでいた方がよいでしょう。

 日本語の歌詞では、ママは毎日泣き暮らし、仏語詞では朝からずっと泣いている・・・・。思うに、日本語詞では離婚して間が無く、ママは泣き暮らしており、仏語詞では、パパが出て行ってからしばらく経っていて、週末等の休日に泣いている設定と思われます。現実問題、そうでなければ生活していけません。慰謝料や養育費だけでは生活できません。この子だって、学校に行っている年頃でしょう。ルネの年齢を意識したなら13才。日本なら中学1年生か2年生。


♪日本とカナダの住宅事情と心情の違い

 日本語詞では、田舎のミドリ色の屋根の家に移りますが、それは一戸建て?それともアパート?母子2人暮らしの上に、これから転居先で仕事も探さなくてはならないのですから、一戸建ては経済的にきつい。転居するにもお金がかかります。だから、もしかするとミドリ色の屋根の家は母の実家。母方の祖父母が温かく迎えてくれるなら、その方が幸せでしょう。そして息子は、一生懸命勉強し、仕事に就いて、将来は母を幸せにすると誓うのです。多分、当時の日本人の感覚ではこんな感じでしょうか。

 カナダでは、家はリフォームして住み替えるもの。また、パパの方が出ていったのなら、もともとママの持ち家か、離婚の時にママの名義になったか。それなら留まっていた方が、仕事や学校のためにもその方がよい。「別居」ならパパが帰ってくる可能性もある。当時は違ったでしょうが、現在のカナダでは、両親共働きの家庭が多いのだそうです(仏系カナダ人の元同僚談。余談ですが、だからカナダでも、子供たちは夕食を安くてボリュームのあるファスト・フーズで済ますのが一般的なのだそうです。そのため子供の肥満が問題になっているといいます。)。ママは、平日は仕事をして生活に追われているけれど、休日は、道の向こうにパパの姿が現れるのを探して窓辺で泣いている。息子も、パパが帰ってくることを強く願い、望みを失ってはいないけれど、ここでママと2人で暮らしていく決意もしています。日本語詞のように、将来のことまでは母に誓ってはいないのは、欧米の感覚でしょうか?


♪最新YouTube映像♪
 ルネが歌う”BOZO”映像。カナダのDVDにも収録されています。途中で一度切れるのはTake1?カナダのアルバム”Ma Petite Japonaise”に収録されている曲をそのまま使っています。同曲は変声後のアルバム”Fernando”でも、ケベックの歌のメドレーとして歌われています。
(現在お聴きいただけません)
※アルバム”Fernando”の”Medley”でお聴きください。
http://www.bebo.com/MusicAlbum.jsp?MusicAlbumId=2603682918
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

”ミドリ色の屋根”仏語詞を考える

2007年03月17日 | ミドリ色の屋根

 過去ログ「”ミドリ色の屋根”を仏語で歌おう」が『知恵袋』で取り上げられたことは、前回の記事で紹介いたしました。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1210938187
 訳詞が良くできているとの評価に気を良くしていた私ですが、読み直して気付きました。サビの部分の中盤が直訳のままで、意味を深く考えずにいたことに・・・・★

 現在、YouTube映像で、第3回東京音楽祭世界大会の最終決勝と、26才の時に出演した日本の番組の映像が見られますが、その部分のルネの振りを見ると、やはり訳詞を書き換えねばならないと思いました。
 まずは「ミドリ色の屋根」を日本語と仏語で歌うルネの映像をご覧いただいてから、本題に入りたいと思います。

※第3回東京音楽祭世界大会の最終決勝で歌う13才のルネ
 RENE SIMARD-ルネシマール-緑色の屋根 - Bing video
♪「今夜だけ!復活 栄光のアイドルスター達」に出演した26才のルネ
 René Simard de 26 ans - YouTube

♪あの人は今?(10年以上前だけど・・・);ルネ・シマール René Simar - YouTube


       ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

 ミドリ色の屋根」の仏語版”Non ne pleure pasは、カナダのレコードに歌詞カードがないため、インターネットで調べると、歌詞が微妙に違っていることは、以前過去ログで取り上げました。
 しかし、映像の口の動きを見ると、私が紹介した

シャントゥ オ クール ドゥ ト ナンファン
Chante au coeur de ton enfant
(僕の心に歌ってよ:直訳「あなたの子供に歌って」)

が正しいと確信いたしました。
※過去ログ「仏語版「ミドリ色の屋根」3つの歌詞の謎 」参照


 そして、問題のサビの部分です。今回訳詞を変えようと思ったのは赤字の部分です。何の疑問も持たず、直訳で「太陽 青空 春 僕の心に歌ってよ」と訳しています。村井邦彦氏の曲にカナダの作詞家が、日本語の歌詞の内容を大きく変えないようにしながら作ったので、語呂合わせ的な部分もあるだろうと思い込んでいた所もありますが、ルネの振りを見ると、そうではないと気付いたのでした。

ノン ヌ プルール パ
Non ne pleure pas
ジュ シュイ ザ テ コテ
Je suis a tes cotes
ノン ヌ プルール パ
Non ne pleure pas
ジュ ヴェ テメ
Je vais t'aimer
ル ソレイユ ル シエル ブルー ル プランタン
Le soleil le ciel bleu le printemps
シャントゥ オ クール ドゥ ト ナンファン
Chante au coeur de ton enfant
トゥワ エ ムワ ヌ レストゥロン
Toi et moi nous resterons
ダン ノートゥル メゾン
Dans notre maison
<訳詞>
Non 泣かないで
僕がそばにいるよ
Non 泣かないで
僕が愛しているから

太陽 青空 春
僕の心に歌ってよ

ママと僕 僕たちはこの家に残るんだ

※過去ログ「”ミドリ色の屋根”を仏語で歌おう 」参照

 ルネの歌の振りを見て訳詞をどう変えたいと思ったのか、また、訳詞のどこがどう違うのか、ということですが、何故「太陽」と「青空」と「春」がいきなり出てくるのか?・・・・ということを考えたら、自ずとその答えが見えてきたのでした。
 私は最初、あなたの子供(ton enfant)だから、「心に歌って」と呼びかけているのはママだと思い込んでいました。ですから、「太陽 青空 春」も直訳のままでした。

 しかし、ルネは手を広げて天を仰いで歌っています。キリスト教では、神に向かって、自分のことを「あなたの子」と表現することがありますが、それと同様で、太陽と青空と春に呼びかけているのだと思うのです。明るく、広く、暖かく、希望に満ちあふれた象徴の3つのものに、また、それを創造した神自身に、自分が今の境遇に挫けないように力づけて下さいと!母を支えて生きていけるように、僕たちを守って下さいと。

 また、2番の歌詞でも「戸をたたく風」と「暖炉の中の薪」が唐突に出てきます。これもサビの部分と同様なのだと思ってノー・チェックでした。こちらも、これを機会に書き換えたいと思います。

 ただし、文法的に言うと、tonは親しい人や目下の時に使う所有形容詞なので、この呼びかけは母に対するものなのかも知れませんが、太陽や青空や春は身近なものなので、親しみを込めてtonを使っているとも考えられます。今回は、太陽等に呼びかけているという設定で訳詞を書き換えてみます。


 この曲は、安易に「暗い」と表現されることが多々あります。しかし、「悲しい」、「切ない」だけでなく、「優しさ」や「心の強さ」、これから母を支えて2人で生きていこうとする「決意」が歌われている曲なのです。

 そう思って、もう一度「ミドリ色の屋根」と”Non ne pleure pas”をお聴きになっていただきたい。情感を込めて歌うルネの表情や振りが、何を表現し、何を語ろうとしているのかが、きっとご理解いただけると思います。そして、きっと、新たな感動があなたの心に湧いてくることでしょう。


 前述のことを加味して書き変えた歌詞は次のとおりです。



         泣かないで

              作曲:村井邦彦  作詩:M.コレ

ママは窓辺で見つめてる
今朝からずっと泣きながら
希望を持とうよ
パパがまた戻ってくると

パパは何も言わずに行ってしまったね
僕たちは二人だけで残されたんだ
外では木の葉が色づき始めた
幸せな秋の昼下がり

Non 泣かないで
僕がそばにいるよ
Non 泣かないで
僕が愛しているから
太陽よ 青空よ 春よ
僕の心に歌っておくれ
ママと僕 僕たちはこの家に残るんだ

戸をたたく風よ
暖炉の中の薪よ
ささやいておくれ 慰め力づけてくれた歌を
パパはママのことを忘れているよ

Non 泣かないで
僕がそばにいるよ
Non 泣かないで
僕が愛しているから
太陽よ 青空よ 春よ
僕の心に歌っておくれ
ママと僕 僕たちはこの家に残るんだ

この家に・・・・
そして ずっとママのそばにいるからね

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする