前回に引き続き「小さな生命」に込めたルネの想いを「セブンティーン」の特集記事より紹介いたします。
♪前回までのお話(「小さな生命①②」)
http://green.ap.teacup.com/rene_simard/38.html
http://green.ap.teacup.com/rene_simard/39.html
♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
願いをこめて『小さな生命』を歌いあげる
========ルネの胸に秘められた愛
涙でとけた雪ダルマ・・・・
ルネのお祈りを、マリア様は、ききいれてくれたのか、オデットは1か月ほどで退院、パパもやがて回復して、一家に明るい笑い声があふれるようになった。
ルネの下には、ジャン・ロジェという弟がいたが、さらに妹のナタリーが生まれた。
ルネはすっかりケベックの人気者になり、いよいよプロの歌手としてスタートしようとしていた、2年半前の冬のことだった。
ルネは、2歳半になったナタリーと、戸外で雪だるまを作って遊んでいた。
パパが病気だったため、6年ぶりに生まれた妹として、ナタリーは、家じゅうのアイドルだった。なかでもルネとナタリーは仲よしだった。
ナタリーは毎晩、ルネの歌う聖歌をききながら眠った。ナタリーが眠りかかると、ルネは、そっとナタリーのおでこにおやすみのキスをする。
それでナタリーは、やっと安心したように、眠りにつくのだった。
ルネのお手つだいをしようと、ナタリーが両手にいっぱい、雪をかかえたときだった。ナタリーはばったりと雪の中に倒れた。
「ナタリー、どうしたの?」
ルネが、ナタリーをだきあげると、ナタリーのからだは火のように熱かった。
そして吐く息もあらく、ナタリーはぐったりとしていた。
「ママ、ナタリーが・・・・」
ルネの悲鳴で、ママがいそいでお医者をよんだ。
診断は、悪性の風邪で肺炎を併発しているというものだった。
ルネは、自分のうかつさを責めた。ナタリーを喜ばせようと考えてのことだったけれど、ちょっと気をつければ、ナタリーのからだのぐあいが悪いことに、気づいたはずだ。
その夜、ルネはナタリーの病院につききりだった。
ほんとうは、ナタリーの病室で、ナタリーを見守っていてやりたかったのだけど、それは許されなかった。
ルネは、胸を不安にふるわせていた。ナタリーの部屋に、看護婦さんやお医者が忙しそうに出入りする。
リンゲル液・・・・ふとい注射針・・・・そして、酸素ボンベまでが持ち込まれた。
ルネの目にも、ナタリーがいま、重大な時機を迎えていることが、はっきりと読みとれた。
「今晩がヤマ・・・・」
とささやく、看護婦さんの小さな声も、入ってきた。
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願いをこめて『小さな生命』を歌いあげる
========ルネの胸に秘められた愛
涙でとけた雪ダルマ・・・・
ルネのお祈りを、マリア様は、ききいれてくれたのか、オデットは1か月ほどで退院、パパもやがて回復して、一家に明るい笑い声があふれるようになった。
ルネの下には、ジャン・ロジェという弟がいたが、さらに妹のナタリーが生まれた。
ルネはすっかりケベックの人気者になり、いよいよプロの歌手としてスタートしようとしていた、2年半前の冬のことだった。
ルネは、2歳半になったナタリーと、戸外で雪だるまを作って遊んでいた。
パパが病気だったため、6年ぶりに生まれた妹として、ナタリーは、家じゅうのアイドルだった。なかでもルネとナタリーは仲よしだった。
ナタリーは毎晩、ルネの歌う聖歌をききながら眠った。ナタリーが眠りかかると、ルネは、そっとナタリーのおでこにおやすみのキスをする。
それでナタリーは、やっと安心したように、眠りにつくのだった。
ルネのお手つだいをしようと、ナタリーが両手にいっぱい、雪をかかえたときだった。ナタリーはばったりと雪の中に倒れた。
「ナタリー、どうしたの?」
ルネが、ナタリーをだきあげると、ナタリーのからだは火のように熱かった。
そして吐く息もあらく、ナタリーはぐったりとしていた。
「ママ、ナタリーが・・・・」
ルネの悲鳴で、ママがいそいでお医者をよんだ。
診断は、悪性の風邪で肺炎を併発しているというものだった。
ルネは、自分のうかつさを責めた。ナタリーを喜ばせようと考えてのことだったけれど、ちょっと気をつければ、ナタリーのからだのぐあいが悪いことに、気づいたはずだ。
その夜、ルネはナタリーの病院につききりだった。
ほんとうは、ナタリーの病室で、ナタリーを見守っていてやりたかったのだけど、それは許されなかった。
ルネは、胸を不安にふるわせていた。ナタリーの部屋に、看護婦さんやお医者が忙しそうに出入りする。
リンゲル液・・・・ふとい注射針・・・・そして、酸素ボンベまでが持ち込まれた。
ルネの目にも、ナタリーがいま、重大な時機を迎えていることが、はっきりと読みとれた。
「今晩がヤマ・・・・」
とささやく、看護婦さんの小さな声も、入ってきた。