”Un Enfant Comme Les Autres(ア・ナンファン・コム・レ・ゾートル)”は、ルネ・シマールのセミ・ドキュメンタリー映画としてカナダのケベック州で公開されました。ルネが第3回東京音楽祭世界大会でグランプリとフランク・シナトラ賞を獲得すると、日本でも「ルネ・オン・メロディ」として劇場公開されたのでした。
▲”Un Enfant Comme Les Autres”のポスター
(Collectoin Passion Simardより)
私は「ルネ・オン・メロディ」を日本公開当時観ていません。そのため、この映画の紹介で書かれている内容についてわからないことがあります。それは、”Un Enfant Comme Les Autres”で歌われていない曲が紹介文の中に入っていることです。過去ログ(※1)で紹介した「ロードショー1975年4月号」の記事では、『ルネの歩いてきた道を、数々のヒット曲をちりばめながらつづったセミ・ドキュメンタリーである。カナダでは60万人を動員した大ヒット作。「鳥」「小さな生命」「雨にぬれても」「ラ・メール」「青い鳥」「普通の子供」などのヒット曲が唄われている。』とあるのですが、少なくとも「小さな生命」はルネの2回目の来日の際に発売された曲です。さらに「青い鳥」は、当時エリザベス・テイラーとの共演で話題となったアメリカのミュージカル映画のタイトルです。もちろん、単に「ロードショー」の記事が間違っているというだけならどうってことはないのですが、ヤフオクで落札した劇場用特大ポスターには、さらに「君のすべてがほしい」まで書かれているのですから、ルネの日本のファースト・コンサート映像(※2)も一緒に公開されたのか?…と、観ていない私は考えたりしています。しかし、「君のすべてがほしい」は、同映画の公開された4回目の来日時に発売された曲なので、これはどう考えてもおかしい★ 日本公開時ご覧になった方、是非!私の疑問に答えてください。また、MarielleさんのYouTube映像”RENE SIMARD AU JAPON”は日本のファースト・コンサートの映像です。私の記憶では、3回目の来日に合わせて特別番組としてTV放映されているのですが、同じ番組をご覧になった方や情報をお持ちの方、こちらについてもご連絡ください。どうぞよろしくお願いいたします!
※1 過去ログ「『ルネ・オン・メロディ』の想い出」
http://green.ap.teacup.com/rene_simard/316.html
※2 MarielleさんのYouTube映像”RENÉ SIMARD AU JAPON”
http://www.youtube.com/watch?v=0MvGsxpljJo&feature=channel_page
現在YouTube等でご覧いただける”Un Enfant Comme Les Autres”は、Giseleさんの短縮版(♪1)や、Caseyさんが11パートに分けた英語吹き替え版(♪2 ただし後半部のみ)、ChantalさんやMarielleさん、Eiyseさんがアップした代表的な場面の映像があります。しかし、それらがストーリーのどの部分の映像なのか、当ブログで紹介したケイブンシャ刊「スーパー・アイドル ルネ」に掲載された『ルネ・シマール物語(♪3)』等をお読みいただければ大体わかるものの、その全てをつなげても、まだアップされていない場面がたくさんあります。
また、前回と1月1日に紹介した”Rene Simard Au Japon(♪4)”。実際の内容は”Rene Simard au Festival de Tokyo(東京音楽祭のルネ)”もそうなのですが、監督の構成の特徴なのか、仏語の会話がわからないだけでなく、どうも話の流れがつかみにくいのです。リアルタイムでルネのデビューや成長を見守ってきたカナダのルネ・ファンの方たちは良いとして、日本のファンには少々わかりにくいと思います。さらに、セミ・ドキュメンタリー映画のため、ルネが辿った道程を忠実に再現し、出演者が全員本人の役で出ているので、俳優が情感を込めてドラマティックに演じている映画とは違います。以前、映画のちらしを紹介しているブログで、同時上映の『汚れなき悪戯』も一緒にご覧になった管理人さんが、両方を比べて批評している紹介文を読ませていただきました。その時は、その批評にかなり反発しました。ルネ・ファンじゃない人には、確かに面白くないだろう★…と。しかし、ルネがレコーディングやCMを撮影する様子を観ることができたファンの感動と、大ヒットした名作映画の感動は、感動のタイプが違います。確かに私も『汚れなき悪戯』を観て、マルセリーノの可愛さや健気さに泣きました。そして、”Un Enfant Comme Les Autres”は、いろいろな記事で読んできた「ルネ・シマール物語」の場面場面を、ドキドキワクワクしながら観たのでした。
♪1 ”Un Enfant Comme Les Autres”の短縮版
http://media.putfile.com/Extrait-un-enfant-comme-les-autres
♪2 ”Rene Simard - A Child Like Any Other” こちらはPart 1
http://jp.youtube.com/watch?v=ktLSuMOZg3c&feature=channel_page
♪3 カテゴリ「ルネ・シマール物語」
http://green.ap.teacup.com/applet/rene_simard/msgcate6/archive
♪4 過去ログ”Rene Simard Au Japon”
http://green.ap.teacup.com/rene_simard/312.html
▲「芸術広場」のリサイタルの朝、ホテルの部屋でパジャマのままのシーン撮影中のルネ。
前置きが長くなりましたが、今回は、YouTube映像や雑誌等に掲載された画像を使って、同映画のストーリーを紹介していきたいと思います。
”L'OISEAU”
オープニング 一面の雪原に遊ぶルネとレジス。凍るセント・ローレンス河でスケート。
オルレアン島の「白い家」に帰る。
教会の日曜のミサ。ルネがリード・ボーカルで歌う。(画像はルネが聖歌隊をしていた教会)
教会から帰るシマール一家。途中で売家の看板の付いた「船長の家」を見つけるルネ。
寝る前にベッドで相談するルネとレジス。ルネは、教会の歌に寄付が集まることから、レジスのギターでルネが歌ってお金を稼ぐアイデアを思いつく。部屋の灯りを消して眠る2人。
オルレアン島からヒッチハイクを試みながらケベックシティに出て、パブで歌うルネ。「サンタ・ルチア」を歌ってお金をもらう。
おもちゃ屋の機関車模型が欲しいルネ。レジスはそんな弟ルネを説得し、家に帰るとママに稼いだお金を渡す。
「ジャン・ロジェの発見」で「アヴェ・マリア」を歌うルネ。
AVE MARIA
http://jp.youtube.com/watch?v=zh-14EeTn8Q&feature=channel_page
その様子をテレビで見守るシマール一家。
ギー・クルティエの結婚式。聖歌を歌うルネ。
ルネのスカウトに「白い家」を訪れるギーと夫人。
「ジャン・ロジェの発見」で「雨にぬれても」を歌い、15週勝ち抜いてトロフィーをもらうルネ。
モントリオールに、ギーの車で来て地下鉄に乗るルネとレジス。途中、ギーを残して地下鉄を降りてしまい、ギーを困らせる。おもちゃ屋の機関車模型に見入っているところをギーに見つかる2人。
ルネをプロダクションから売り出すためのスタッフ会議をするギー。
スタジオで”L'oiseau”を歌うルネ。
スタジオで”La Mer”を録音するルネ。
ファースト・アルバム”L'oiseau”がミュージック・ショップに並ぶ。BGM「島の少年」。
スタッフ会議。大々的に売り出し、新聞にも記事が大きく取り上げられ、人気が出る。
新聞社の取材、ラジオ番組出演するルネ。
ギー・クルティエとルネ・アンジェリルらは「ロンドン・レコード」を設立する。ルネの人気が上がり、記録的なレコード売り上げとともに、レコード会社も大きくなっていく。
ローラ・スコールの缶プリンの歌を録音するルネ、レジス、マルタン。それに立ち合うパパ。
CMの収録風景。
1970- Poudings Laura Secordhttp://jp.youtube.com/watch?v=oEuURBfOWgA&feature=channel_page
ローラ・スコールの担当者から差し入れられた缶プリンを食べるルネたち。
ギー、パパの打合せ中、アイス・ホッケーの練習をして遊ぶルネとレジス。
家に帰ってくるとママと幼い妹ナタリーがキッチンに。"Ange de mon berceau(僕のゆりかごの天使)"の録音風景と重ねて。
「芸術広場」でのリサイタルの朝。ホテルでダニエル・バシャン(バチョー)さんに着がえさせてもらうルネ。ベッドではねて遊ぶレジス。テレビではアメリカン・ヒーローの「バットマン」。
※ここから後のエピソードはCaseyさんが11パートに分けた英語吹き替え版でご覧いただけます。
「芸術広場」に車で向かい、楽屋で舞台衣装に着替え、メイク(ドーランとリップ)し、パオロ・ノエルと発声練習。いざステージへ。
リハーサルで「雨にぬれても」を歌うルネ。
「僕のママは天使」を歌うルネ。
パオロ・ノエルと「小さな帆船」を歌うルネ。
René Simard et Paolo Noël à la Place des Arts
v=6nh8mHAvFac&feature=channel_page" target="_blank">http://jp.youtube.com/watch?v=6nh8mHAvFac&feature=channel_page
「僕のママは天使」の演奏の中、ルネの紹介でレジスが登場。慣れた様子でマイクを取るレジスに、会場に笑いがこぼれる。2人で”La derniere rose de l'ete(夏の名残の薔薇 日本では「庭の千草」)”を歌う。
René & son frère Régis à la place des arts en 1971.
http://jp.youtube.com/watch?v=lPxpkjWLIr4&feature=channel
”Dans mes reves”と”Pres de toi(カーペンターズの「遙かなる影」の仏語版)”を歌うルネ。
熱狂的なアンコールと繰り返されるカーテン・コールの後、楽屋に来るファンにサインするルネ。人々の祝福のキス。ルネとレジスを抱きしめるパパ。
セミ・ドキュメンタリー・フィルム”Un Enfant Comme Les Autres”を製作することになり、同名のテーマ曲を録音するルネ。
René Simard chante "Un enfant comme les autres" - 1972
http://www.youtube.com/watch?v=nmPYlZHeX3w&feature=channel_page
ルネはギーに聞かれ、売りに出ていた家のことを思い出す。ルネは教会のミサ帰りに見つけた後、レジスと一緒にその家を見に行っていた。ルネの希望で、船長が住んでいたという家を購入し、ギーの車で家族で向かう。ドアの鍵を開け、家に入るシマール一家。『売家』の看板を外し、雪の中に投げ捨てるルネ。
エンディングは、”Un Enfant Comme Les Autres”の歌とともに、道を歩いて行くルネの後ろ姿をカメラが追う。
ルネ・シマール一家が親しい人たちに見送られながら「白い家」を出ていくシーンもあるのですが、この時パパは喘息で働けなくなり、ケベックシティの地下室を借りて住んでいたので、家族でTVを観ているシーンやギーが「白い家」にスカウトに来るシーンは実際とは少し違うかもしれません。また、テレビを観ている時、家族とは別の人物が複数映っているので、知り合いの家でテレビを見せてもらっていたのかもしれません。中には、「ジェン・ロジェの発見」を観ていたギーの母が、「何故レコード会社でスカウトしないのか。」と電話したというようなエピソードも伝えられています。しかし、最初にルネを発見してスカウトしたのは別の人だったという話もあるようです(カナダからの情報)。セミ・ドキュメンタリー映画ですから、撮影の関係で、事実とは微妙に違うところが出てきても仕方がないのでしょうね。