柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

ホスピスで亡くなった方の話

2008年11月16日 | 尊厳死宣言とは
先日、緩和ケアのコメントを頂きました。
癌治療だけでなく、病気治療中の痛みを患者は我慢してしまうんですね。
病気を治しているのだから痛みがあってもしょうがない・・・と
でもそれは、本来の病気より辛い場合も多いようです。
つい数日前の新聞にもそんな記事が出ていました。

癌の末期になると、緩和ケアが考えられます。
ホスピスは緩和ケアを行う所です。
癌の治療はせずに、痛みを和らげる処置のみをしてくれます。
死期が迫った人が、安らかな時間が過せるように配慮してくれます。
家族も一緒に過すこともできます。

随分前になりますが、あるホスピスの講演会に行ったことがあります。
そのホスピスでの患者さんの様子や
亡くなった後のご家族の追悼集会の様子を聞きました。

そこには、死期が迫らないと入院できません。
確か3ヶ月が目安です。
病室は自宅のように私物が持ち込まれていて
着る物も自由。家族も寝泊りが出来るそうです。
そして、痛みをとることに専念し
その他は、何をしても自由だそうです。
ホスピス内にある教会で自由に祈ることが出来
牧師さんが宗教を超えて、話し相手をしてくださるそうです。

皆さん、穏やかに死を迎えると聞きました。
まさしく、尊厳死ですね。
尊厳死宣言の内容も、このホスピスの信念と同様だと思います。
癌だけでなく、他の病気でもこんな死が望ましいと思うんですが。
ホスピスはがん患者しか入れないと聞きました。

そこのホスピスで亡くなった方の葬儀をお受けしたことがあります。
ホスピスにいる間に牧師さんの話を聞き
心静かに死を迎えられたそうです。
まだ、40代の男性でした。

亡くなる前に自分が死んだら、あの牧師さんに葬式をしてもらいたい
と、言い残されたそうです。

奥様は、そのとおりにキリスト教での葬式を依頼されました。

牧師さんと通夜の前に打合せをしているところに
故人のご両親や親族が到着されました。
故人のお父さんは、菩提寺の檀家総代でした。
キリスト教の葬儀はもちろん反対です。
しかし、息子さん本人の遺言でもあり
すでに準備が整っていた為、事を荒立てた訳ではありませんが
険悪な雰囲気が漂っていました。

しかし、葬式が終わったときには「お世話になりました」と
帰っていかれました。
地元で、葬儀をし直すそうです。

宗教の問題はそう簡単に解決できたり
譲ることのできない問題です。
奥様は、問題を抱えることを覚悟で牧師さんにお願いされたと思います。
それだけ、ホスピスで過されたご主人の時間が
意味深いものだったのでしょうね。

そのホスピスでは、皆さんが亡くなるはずですが
過去に1名だけ、元気になって退院した方がいるそうです。
信念を持って「野菜スープ」で癌を治すと
毎日スープを作り続けて頑張った方だそうです!


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2 コメント

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キリスト教のこと (ポンポンダリア)
2008-11-18 00:36:27
私が以前読んだ本のホスピスも、牧師さんがお世話をしていました。
宗教は、苦しい時、確かに支えになることがありますね。その奥さまも、牧師さんに支えられていらしたのでしょうね。
いろいろ問題はあっても、そのホスピスはいいお仕事をしているんですね。
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最後のときに思うこと・・・ (バンビーノ)
2008-11-18 21:51:18
コメントありがとうございます。
ポンポンダリヤさんもありがとう。

宗教は何であれ、安らかな旅立ちであってほしいなと思います。
何かにすがりたいと思うのは、人間誰でも一緒ですよね。
父がどのように考えているのかわからないけれど、なるべく望んでいるように出来たらいいななと思います。
死ぬって肉体や形が無くなる事で、その人はいつまでも存在していると思っているけど、話をしたり出来なくなるのは悲しいですよね。

今年は私にとって、寂しい年です。
母も愛犬ショコラも天に召されてしまったから、よけいですが・・・

最後のときに、幸せだったて思える人生送りたいです。


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