柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

尊厳死宣言

2008年06月21日 | 尊厳死宣言とは
尊厳死って聞いたことがありますか?

将来、治療しても回復の見込みが無い病気になってしまった。
又は、突然倒れて、植物状態になって回復する見込みが無い。
そうなったら
延命のための治療は拒否して、自然に死を迎えたい・・・・・・

こんな状況を想像したとき
多くの人は、むやみに死を引き伸ばすのは無用だと言います。
器械で生きている、そんな最後は迎えたくないと。

しかし、実際にそうなった場合
簡単に、自分の希望するようにはなりません。

本人はいくらでも、勝手なことを言えますが
まだ死んでない本人を目の前にして
家族が、延命を絶つ決断をするのは、決して簡単なことではありません。

早く楽にしてあげたいと思う者もあり
亡くなるのは解っていても、最後まで頑張って欲しいと思う者もあり
家族の中でも、皆が同じ思いとは限りません。

又、本人の「延命治療を拒否する」という明確な意思が確認できないと、医師が希望を受け入れないこともあります。

本人の意思がきちんと証明できることが重要です。



私は見送る側として、その決断をした経験があります。

叔母は88歳で1人住まい。家族はいません。
80歳になる私の母が妹に当たります。

母は東京に住み、叔母は横浜住まいです。
たまたま、姪の私が、叔母の家から徒歩15分くらいの所にいました。

叔母は、突然の心臓発作で、私に最後の力を振り絞って電話をくれました。
急いで駆けつけ、救急車で病院に運びましたが
到着した時点で心停止です。

暫くの間、医師による心臓マッサージが行なわれましたが
心臓は動きませんでした。

医師から、呼吸器を装着するか?と聞かれたとき
一瞬、母の顔が浮かびました。

多分、母に連絡したら、「自分が行くまで生かして欲しい」と言うのではないか
と思ったからです。

しかし、医師からは「年齢を考えても、意識が戻る事はないし、死も近いだろうだろう」と告げられました。

私は、母に告げずに、このまま叔母を逝かせる決意をしました。

叔母の死が確定し、処置をして頂いてる間に
母に電話をして、叔母が亡くなったことを連絡しました。
午前4時でした。

叔母に対して、悪いことをしてしまったのではないか・・・
本当にこれで良かったのだろうか・・・と言う思いは暫く続きました。

この後ろめたい決断を母にさせなくて、良かったと思っています。
どちらの選択をしても、母は後悔したと思うんです。

癌の場合は、告知を本人が受けることもあり
自分の意思で、最後まで諦めずに生きる努力をするか
無駄な治療は拒否して、静かに自分の死を受け入れるか
選択する時間があります。

しかし、急な病気や、事故で意識がなくなった場合こそ、
尊厳死を希望するなら、宣言しておくことが必要になります。

私はエンディングデザイン・コンサルタントとして
法的効力のある、尊厳死宣言公正証書の作成を推進しています。

日本尊厳死協会に登録すれば
尊厳死宣言書を作ってくれますが、他にも宣言をする手立てはあります。

私がとても信頼している先生方が
ユアー・エージェント(045-222-7364)と言う所で、相談をすると
すべての手続きをしてくれますし、その後に意思変更があっても対応してくれます。

必要なこと、大事なことと思っても
1人でことを起すのは、結構大変なことです。

そのため、こういうサポート体制が気軽に使えたり
問い合わせが出来るのが大切だと思います。


家族に延命治療の決断の苦渋を与えない。
意識がなくなっても延命治療拒否の意思を表明したい。
延命だけが目的の高額な治療費を家族に追わせたくない。

このように考える方は、何らかの手を打つべきです。


尊厳死宣言とは
①私の病が現在の医学では不治の状態であり、概に死期が迫っていると診断された 場合には徒に死期を引き延ばすだけの延命措置は、一切お断りします。
②但しこの場合、私の苦痛を和らげる処置は、最大限に実施してください。そのた
 め、例えば麻薬などの副作用で、死ぬ時期が早まったとしても一向に構いませ  ん。
③私が数ヶ月以上に渉って、いわゆる植物状態に陥った時は、一切の生命維持装置
 を取りやめてください

以上の内容を家族、縁者、医療に携さわっている人々に対して宣言をしたものです。



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