ロビンソンの足あと
(10年かけて漂流記の家を発見するまで)
高橋大輔(著)2010年4月発行
デフォーの有名な探検小説『ロビンソン漂流記』には、
スコットランドの船乗り「アレクサンダー・セルカーク」(1676?~1721)
という実在のモデルが存在したのだそうだ。
「セルカーク」は、今から300年前に南太平洋の無人島に漂流し、
彼は、島に生息していたヤギをつかまえ、限られた道具で小屋を建てて
たった一人で4年4ヶ月を生き抜き、運よく近海を航海中の船に救助された。
その無人島生活の様子が綴られた18世紀のエッセイが残っているとのこと。
子供の頃に読んだ「ロビンソン・クルーソー」は、なかなか面白かった記憶が
あるのだが、これが実話だったとは驚きだ。
著者は、子供の頃から憧れていた『ロビンソン・クルーソー漂流記』に
実在モデルが存在したことに刺激を受け、ロビンソンの足跡を辿ることに
熱中し、ついには、勤めていた会社を辞め、一人チリ沖の孤島へ。
そしてついに現在のロビンソン・クルーソー島に、その住居跡らしき遺跡を
発見する。
ここまでが前作『ロビンソン・クルーソーを探して』(2002年)に書かれており、
この本では、その遺跡を発掘してみようとするところから、驚くべき発見に至る
までの経緯が書かれている。
遺跡発掘調査には、言葉の壁、習慣の違い、資金難、協力者集め、衝突、
管轄当局の壁と、難題が降りかかる。
しかし、著者は、それらの困難をひとつひとつ解決しながら、協力者を集め、
援助を取り付け、現場では多国籍チームを率い、粘り強く謎に挑み続けた。
世界が認めた、日本人青年の10年にわたる夢への奮闘記録です。
わがまま母