遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

老人と宇宙

2008年02月22日 18時40分16秒 | 読書
  老人と宇宙(OLD MAN’S WAR)
           
           ジョン・スコルジー(著)

  結論から言わせて貰うと、「とっても面白い!」です。
  SFとは縁のない私ですが、色んな意味で面白かった。

  娘の母だけに、数学、物理はチンプンカンプンで、全く
  「科学」的ではないから、「多元宇宙」や「スキップ
  ドライブ」やアインシュタインや「重力井戸」なんて
  言葉はそれこそ、遥か遠い宇宙の言語としか思えない。

  それでも、面白ろかった。

  話は、ジョン・ペリーという妻を喪った老男性が、
  75歳以上の老人だけが、参加を許されるCDFと
  呼ばれる「コロニー連合軍」へ参加し、老いた肉体を
  改造し、(地球だけでは生存できなくなった人間達が
  暮すために)宇宙に点在するコロニーをエイリアンから
  守るための戦士となり、活躍する・・・

  という一見、荒唐無稽な話で、映画の「エイリアン」に
  出てくるような、気持悪い生き物が出てきたり、
  まさかーっていう事も沢山あるのですが、
  つい、ハラハラドキドキしたり、しんみりしたり、切なく
  なったり。
  でも、案外、そう遠い未来ではなく、そんな時代がくるかも
  なんて考えさせられたり。

  戦士となった老人たちのほとんどは、戦闘で死んでしまう
  のですが、もし、人間として地球で生き続けたとしても
  75歳から、いったい何年元気に生きられるのかだろうか?
  という感覚になったり。

  本の途中にこんな会話がある。

  結局のところ、君たちがコロニーに愛着をを覚えるべき理由
  とは、そうするべきだとわかるだけの年齢に
  達しているからだ。
  CDFが老人を兵士にする理由の一つはそこにある・・・
  君たちが隠居して経済面で社会の足かせになっていること
  だけが理由ではない。さらにいえば、充分に長く生きてきた
  君たちは、人生には自分の命よりも大切なものがあると
  知っているからだ。君たちの多くは家庭を持ち、子や孫を
  育ててきたから、自らの利己的な目的を超越した行為に
  どれほどの価値があるかを理解している。
  たとえ自分がコロニーで暮すことはなくても、人類にとって
  コロニーが大切なものであり、戦って守るだけの価値がある
  ことはわかっている。こうした考えを19歳の頭に叩き込む
  のは難しい。だが、君たちは経験からそれを知っている。
  この宇宙は経験がものをいうのだ。

  私は、この文には、少なからぬ衝撃をうけましたねー。
  (この内容を認める、ということではなく)

  SFとして楽しんでもよし、宇宙の無常観に思いを馳せるも
  よし、若さや老いについて考えてみてもよし・・・

  とても魅力のある一冊でした。


        わがまま母
  
コメント
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