遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

ウオルター・ローリー

2008年02月18日 17時38分08秒 | 読書
 実はこの本、少し長い題名なのですが、

 「女王エリザベスと寵臣ウオルター・ローリー」
     上 黄金郷を求めて
     下 断頭台に消えた夢
          
           ローズマリ・サトクリフ(著)です。

 私は、あまりよいイメージのなかったウオルター・ローリー
 について、エリザベス1世とどんな関りをもって
 近衛隊長となり、活躍したのか?が知りたいと思い読んだ。

 しかし、私の興味とこの作者の描きたかったことが違って
 いたようで、女王との絡みの部分は少なく、おまけに
 女王は上巻で死んでしまう。

 作者のローリー像は、この一節に表されている。
 「ローリーは生涯を通じて、自分の姿を鮮烈に意識しながら
 生きた。ローリーの時代の男は皆、ほかの時代とは比べもの
 にならないくらい、美しい人生を生きること、人生を美しく
 することに意識的だったが、ローリーはそのような感覚が
 人一倍強かったといえる」

 そんな伊達男のローリーだが、何度もアメリカ大陸に渡り、
 イギリスの植民地建設の先駆者となり、南米では「黄金郷」
 を求めた。(結果は失敗に終わり、最愛の息子も亡くす)
 新大陸から、煙草やポテトを持ち帰り、イギリスに広めた
 のは、このローリーだそうだ。

 女王の死後、ジェイムス1世に嫌われ、ロンドン塔に13年間
 も幽閉される。
 その長い幽閉生活の間、「世界史」を執筆したり、化学実験
 をしたり、知識人達と議論したりと夢をあきらめず活動した。

 最期は、スペインのご機嫌をとりたい王によって、断頭台で
 処刑されるのだが、その死刑の直前まで彼を支え、愛し続け
 たのが妻のエリザベス・ストックモートン。
 いかにこんな大変な?(伊達男で夢見る)男ローリーを
 愛し続け、また愛されたか・・・
 ここに、作者の視点があり、焦点があてられているようだ。

 直接、本の趣旨とは関係ないが、同じ「エル・ドラド」を求め
 るにしても、スペインの黄金や現地人に対する考え方と、
 ローリーの黄金や植民地経営に対する構想の違いが、
 ちょっとだけだが読み取れて、面白い。
 その後の植民地政策の差が、すでにこの頃に起因している
 みたいだ。

 なんて、作者の意図とは違う感想だろうな~。

 素晴しく稀有な魅力の男と、健気に支える妻の姿・・・
 って、私には、あまり興味の対象にはならないし、
 勿論、参考にもできないしね・・・笑 
 

        わがまま母
 
 
コメント
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