さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

巧くて「雄弁」なボクシング 堀川謙一40歳、冨田大樹に完勝

2020-07-26 01:50:47 | 関西ボクシング


ということでYouTubeで配信あったOPBFライトフライ級王座決定戦、堀川謙一が10回、TKO勝ち。
若い冨田大樹を、巧さで攻略して、最後は強烈に仕留めました。

序盤の回で、鼻血を流すシーンがありましたが(冨田の左でしょうか)、冨田の左に右をリターンし、その次に左、という「逆ワンツー」を巧く当て、その左を上だけでなく、ボディへも決めていく。
冨田は速いワンツーを当て、勢いに乗って攻めるパターンになると強いので、手数を出させないように、軽いパンチで良いから返し、気持ちよく攻めさせない、という堀川の狙いが、序盤から見えました。

5回、ボディの打ち合いでまさり、この回、そして8、9回は打ち勝ったあと、ラスト10秒以降に攻め込むパターンが続く。
こつこつ当てられた上へのヒット、ボディのダメージ、思うように闘えない心身の疲弊を抱えた冨田を、10回に猛攻。
最後は堀川の右で冨田、身体ごと飛ばされるようなダウン。レフェリーが飛び込んで来たが間に合わず。
失礼ながら、堀川謙一らしからぬ?強烈なTKOシーンでした。


40歳になり、色々難しいことだらけの状況にあって、なおその技巧を維持するのみならず、さらなる意欲、闘志が伝わってくる闘いぶりでした。
かつて、練習環境や好待遇、試合の機会に恵まれず苦しんでいたボクサーだからこそ、今、この時に闘うこと、闘えることに込めた思いのようなものがあるのかも知れない。
そんなことを思わせる闘いぶりに、終始惹き付けられました。

普段の人柄までは知りませんが、少なくともこの日、リングの上で、堀川謙一は極めて雄弁でした。
この試合が多くの注目を集めるものかはわかりませんが、その姿は、ボクシングファンならば、陳腐な表現ながら「感動」を覚えるものだった、と思います。


敗れた冨田大樹は、山口隼人戦での成長ぶりで大いに注目していましたが、技巧衰えぬ堀川の前に、完敗を喫しました。
しかし、堀川が今の「境地」に辿り着くまでの道のりを思えば、彼にはまだまだ時間がある、と思います。
もちろん、それは、こういうご時世であろうとなかろうと、簡単に言っていいことではないのでしょうが、それでも、という思いです。



試合の様子は、アンダーから全部、明日の午後からこちらのチャンネルで再度、動画がアップされるそうです
味わい深い、良い試合でした。なおかつ、フィニッシュはなかなかの迫力でもありました。
未見の方は是非見ましょう(^^)



※試合動アップされました。ご紹介。






コメント (5)
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