さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

「条件次第」の一言が重い? 井岡一翔、次はエストラーダか中谷か

2023-01-12 08:29:04 | 井岡一翔




さて、次どうなる、という話で、年明け早々に一番具体的な話が出たのが、井岡一翔の次戦について。
WBOが、指名挑戦者の中谷潤人との対戦交渉を指示。
30日以内に合意せねば入札、とのこと。


で、こちらは、井岡にはWBC王者ファン・フランシスコ・エストラーダとの対戦希望があり、はてさて、という記事です。

井岡がずっとエストラーダ戦を熱望してきた、という記述がありますが...言えば、自分が挑む形ではなく、対等の立場(という体裁)と、相応の条件を得た上で、という但し書きを付ければ、その通りなんでしょう。
この記事にはあれやこれやと、頼まれたのか、頼まれもせんのに勝手に、なのかは知りませんが、その辺を上手いこと飾り付けて書いてあります。


でも、結局のところ先方からすれば、「条件次第」の一言が全てなのでしょう。
エストラーダ側にすれば、すぐに次、またローマン・ゴンサレスと試合するというわけにはいかず、他の候補となれば、という位置付けに、井岡一翔がいることは、ひとつの評価ではあります。
しかし、当然井岡を選ぶことで、先方も得られる限り、最大の利益を求めるわけです。

そうなると、日本でやるか、アメリカでやるか(さすがにメキシコなら断るでしょう)、どちらが興行の主体を握るにせよ...日本なら、従来の枠組みをさらに大きくする必要があります。
アメリカでやるなら、当然井岡の方に条件面の不足が生じるでしょうから、それを日本側のスポンサーなり、放送配信なりで埋められるか。
過去にも似たような事例はありましたが、井岡の周辺がそれをかなえられるものかどうか。
さらに、WBOの指定した期限内に、これらの条件を整えられるものか、ですね。


実現すればもちろん、好カードだとは思います。
ただ、両者が中谷潤人やジェシー・ロドリゲスといった新世代との対戦を、この記事中にもあるように「メリット」云々、という物差しで計ってしまう感覚は、何というのか「ボクシングっぽくない」ように思えます。
それこそ、古い人間の感覚でしかないのでしょうが、カッコ悪いなあ、と。
そういうの全部蹴散らした王者同士が、というならともかく、という。


そもそも、やるなら互いに、フライ級の頃、もっと若い内にやっとかなあかん試合やったでしょうよ、と。
一度やって、再戦がなかなか決まらずここまで来てしもうた、という話ならともかくも、一度もやってないんですから。
ただしその辺は、本人の意志に反して?だったのか、当時所属のジムが回避した、ってことなんでしょうし、今回やれるなら、その無念を晴らすための闘い、という見方も出来るでしょう。
それがもし、井岡一翔の宿願であった、と見るなら、大いに意味のある一戦ではありますね。


で、この記事だけ読むと、エストラーダ戦の方が有力、みたいな感じですが、中谷潤人戦をやらないという選択をすれば、それはそれで、色々言われることでしょう。
印象的にどうという話はどうでもいいとしても、この二択なら、遠いタイプはやっぱり避けるか、と思うところでもあり。

しかし、WBO王者が、WBA王者と引き分け、次にWBC王者と(タイトルを返上してまで)闘う、というのも、考えたら希なケースというか、非常に意欲的、アクティブな活動であるはずです。
実際、中谷戦を選択すれば、エストラーダと闘えそうな「情勢」は、変わってしまう可能性が高いでしょう。


さて、どちらと決まるものか...正直、現時点では読めません。
まあ、ひと月くらいで目鼻が付く(はず)の話ですが、どういう結果になりますか。はてさて、ですね。




中谷潤人については、井岡と闘えば、そして勝てば、国内的には、知名度もアップし、評価も高まるというものでしょうが...もし、エストラーダと井岡が闘うなら、中谷はその勝者との対戦を目指し、それまでに獲れるタイトル獲っておく、ということで良いのでは、という気もします。

井岡のように、結局は国内ベースで闘うのではなく、中谷には試合の規模や注目度により、日本とアメリカのリングを、その都度こだわりなく選択して闘うようなチャンピオンになってほしい。それは言えば、ファンの勝手な願望です。
しかし、中谷潤人以外に、それが出来そうなボクサーはそうそういない。ならば、彼ならではの「大成」の仕方を目指して欲しい。
もちろん、井岡と闘うことで得られるものは大きいでしょう。しかし、長い目で見れば、それを上回るものを、中谷潤人は掴めるボクサーである。
そんな風にも思っています。



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4 コメント

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Unknown (アラフォーファン)
2023-01-12 08:36:36
ひとことで言うと何かカッコ悪いなと。
フランコ戦もファンを満足させられないとリング上で言いながら後でみたら自分が勝ってた、とか何とか。
結局旨みがあるかどうかなんだなと。
中谷くんともあまり乗り気でないのか、さらにフランコと決着つける気もないのか、それでエストラーダと言っても。
まあ互いに名前あり、ただピークは間違いなく過ぎた、そして体格差もない。だから両者ともそういうんでしょうけど。
いずれにしろいつまでもこういう形で椅子を守られるのはファンが望まない。
私からすると、じゃ早くやって両者幕引きして、です。
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Unknown (海の猫)
2023-01-12 15:28:16
最近は(といっても昔をよく知りませんが)、この「メリット」というものを選手本人が口にしたり、ファンも当たり前のように考えたり。今のボクシング界ではやむを得ない部分もあるのでしょうが、やはり本来のスポーツや戦いの魅力からは外れるよなあと。少なくとも表面上は公平なルール、条件の下に実力のみで争われるからこそ、人々は夢中になり熱狂するわけで。打算ばかりのボクサーや関係者を見せられても、と。

井岡-エストラーダは、Amazon primeあたりがつけば、すぐにでも実現するのでしょうが、帝拳が中谷戦を望んでいるのなら難しいでしょうね。エストラーダにしても、米DAZN/MRがこの試合に乗り気なら、わざわざ本人が日本まで来てアピールする必要もないでしょう。ただ思わぬところが名乗り出て、もしくは何かしらの方法で、という可能性もあるのかもしれません。

井岡が大晦日に快勝していれば、中谷を待たせてでもと思いますが、負けに等しいドローの後ではどうにも盛り上がれない。村田がゴロフキンのような超ビッグネームを迎えても、それに相応しい盛り上がりを得られなかったのもそこでしょうね。それ相応の相手に勝利もせずにビッグマッチが決まりましたと言われても。田中戦の直後であれば大分雰囲気違いましたが、もう一度その空気を作るのに中谷の様な相手がいるのは、非常に恵まれた状況とも言えます。予想するなら中谷有利で、下手すりゃ惨敗もあり得ますが、だからこそ覆せれば価値ある勝利となるかと。
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Unknown (モノクマ)
2023-01-13 03:43:12
フランコに明確に勝ってさえいれば、もう少し本人の希望を尊重する声もあったのでしょうが、不利の引き分けでは選択に説得力が出ませんね...

仮にエストvs井岡となるなら、中谷vsモロニー(田中)でしょうか
一方で、井岡vs中谷で話が進むとその勝者がエストと交わるにはまた時間がかかり、エストが他の日本人選手と絡むこともないと思うので、一応ではあっても階級で一番評価を得ている選手と日本人選手が戦えるという点においてはまたとない機会なのかも知れませんが、、、
階級のトップを見たいというファン心情から乗るのは難しいところです

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
返信する
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2023-01-13 16:36:49
>アラフォーファンさん

フランコ戦については、彼自身の感覚がそうだったというなら、仕方ないところですね。強がりだったとしても、言うしかないでしょう。
エストラーダとの対戦希望は、井岡の悲願、宿願ではあるでしょうし、それは理解しますが、結局挑むのではなくて...という前提を求めるが故に、今しか無い、という話にしてしまっているのも事実です。その辺がね、と。何が何でもやる、と構えであったなら、過去にやる機会はあったはずなのに、と。その辺は、傍目には「余計」なことばっかするから、という話でしかないんです。
で、やれば良い試合になるかもしれませんし、注目カードでもありますが、やっぱりもっと若い内に、と思いますよね。引っ張りすぎです。私の口さがない友人などは「老人同士が縁側で将棋指すようなもの」とバッサリでした。何もそこまで言わんでも、と思いますが、昨今、ホンマにこういう事例多すぎるんで、こちらも苛々するところがありますね。


>海の猫さん

昔は世界タイトルがイコール、全ての「メリット」を運んでくるものでしたから、話としてはすっきりしてたんでしょうね。その前提が崩れてから長く、今となっては混乱の極みですね。どいつもこいつも...と思うこと再々です。
Amazonがやる、という構えだとして、井岡がそれに乗ってエストラーダと、となれば良い話ですけど...どうなんですかね。このカードと、空位になるWBO決定戦、中谷vs誰か、の試合を一緒にやって、勝者同士で決戦、とか、ダイナミックな話で、大変結構ですが...井岡がそういう「公」「平場」に出てくるかどうか、ですね。
エストラーダの陣営は、ロマゴン戦と同等の条件が得られる試合を探っているんでしょうね。プロモーターや配信局にとり、米国のマーケットで商品価値が低い井岡に対しては、やるなら不足はそちらで埋めて、という立場なのでは、と。まさかエストラーダの不足分まで持て、と言われることはないでしょうけども...。
フランコ戦の勝ち負けは、というより、負けてたんでは、と見られたことが、どちらの話になろうとも影を落としていますね。田中戦の後は、確かに良い流れでしたが、ドーピング騒動がそこに来るわけで、もう...とにかく、何かにつけてスッキリせんなあ、としか言えないですね。


>モノクマさん

仰る通りで、王者対決ドロー、というのは、それ自体は価値あるもののはずなのに、というところですね。ブライアン・ミッチェルvsトニー・ロペスみたいな、地味だけど統一戦、という事例と比べても、内容が違うんですよね...。
WBOが空位になったら、中谷vsモロニーですかね。なかなかのカードですね。
確かに、エストラーダが闘うとしたら、名前のある相手でないと、という基準で井岡なんでしょうね。
しかし、ここまで遠回りしないと出来ないものかね、と首を傾げてしまうのも確かです。まあ、まだどちらになるか決まってはいませんが。中谷とやってくれたら良いのにとも思いますが「メリット」云々という話になっちゃうんでしょうね。
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
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