井上尚弥の次戦について、いろいろと盛り上がって?いますが、昨日練習を公開した井上本人のコメントなどを見るに、どうやら最初から「ボタンの掛け違い」で始まった話のようですね。
井上尚弥 グッドマンとの交渉宣言「勘違い」だった!9月の相手は「未定」(東スポWEB)#Yahooニュースhttps://t.co/BD8aId1LKI
— takeru ooba (@OobaTakeru) May 30, 2024
まあ、天然というのか何というのか。
あの東京ドームの試合後、サム・グッドマンをリングに上げたときは「この大イベントの次について、もう根回しが出来ているとは。大橋会長、凄い」「こんな試合をしたあとに、その段取りをちゃんとやる井上も凄い」と感心したものですが(笑)。
勘違いというか、そりゃ先方も色々とあるわけだし、今日言われて明日やれるスポーツでもなし。
もちろん条件とかの話もあったとは思いますが、それより前に、こういうところから始まっていたのだなあ、と。
そういうことで、次戦は一応未定となっていますが、TJドヘニーでほぼ間違いないでしょうね。
岩佐亮佑戦の頃は、パワーよりも機動力としぶとさで、岩佐の射程を外しつつ攻勢は取る、という技巧派ファイターのイメージでしたし、グッドマンに負けた試合でも、案外コロッとダウンした印象で、もう限界なのかとも見えたんですが。
しかしその後、来日して3連勝。中嶋一輝、ジャフェスリー・ラミド、そして先日ドームのバヨゴス戦、いずれもパワフルな強打を押し立てて倒す型に変わっています。
ボクシング・アナリスト増田茂氏はよく、記事の中で選手の当日体重について取り上げますが、その中でもこのドヘニーは相当な「戻し」があり、試合当日はスーパーウェルター級の範囲まで体重が増えている、と指摘していました。
井上尚弥も先日のネリー戦では、スーパーライト級の範囲まで増やしていて、当日体重でネリーを僅かに上回っていたとのことですが、さすがにこれ以上増やすことはあり得ないでしょうから、もしそのまま次の試合、リング上で対峙するとしたら、二階級ばかり差があることになります。
それこそ、この先にフェザー級転向があるとして、そこで対する誰と比べても、勝るとも劣らない体格の相手と闘うことになりますね。
もし、ネリー戦のような先制打を受けるようなことがあったら、あの時以上の甚大なダメージを被ることになるかもしれません。
もちろん予想をすれば井上有利ですが、このあたりがどう出るか、については要注目であり、ネリー戦のようなミスは許されない、とも言えましょう。
反面、上記のグッドマン戦や、先日のドームにおける試合でも(遠目に見ただけですが)攻められたときは意外に脆く、簡単にぐらついたり、足元が乱れたり、という印象もあります。
元々、受けに回って良さがあるかというと、そういう選手では無いのかもしれません。また、岩佐戦にまで遡れば、長丁場になると、疲れて失速する傾向も見えました。
まあ、井上相手に試合を長引かせたら、それだけで大健闘ではありましょうが。
しかし、マーロン・タパレスのように、受けて引いて長い試合になったときに、攻防共に...特に防御面ですが、質を落とさず闘える選手かというと、そうではなさそうですね。
とりあえず相手もほぼ決まり、という情勢になったようです。
9月、首都圏開催とのことですが、出来れば観戦したいと思っています。
カードとして弱いとか、いろいろ雑に簡単に言ってしまいそうになりますが、考えたらボクシングとは、一人のボクサーがチャンピオンという最強の地位に就くものであり、その最強のボクサーに、おいそれとライバルがいること自体がおかしい、とも言えます。
井上尚弥は、チャンピオン乱立、さらに言えば粗製濫造が常態化した時代にあって、その異様な状況を、その力で平定した数少ない一人であり、そのこと自体が偉大なのであり、誰と闘うからどう、という段階にいる選手ではない。
それが本来あるべき「世界チャンピオン」の姿であって、井上はそれを体現しているに過ぎない。
そう思えば、仮にどんなカードであっても、その姿を遠目にであっても、やはりこの目で、かなう限り見ておきたい、と思う次第です。
そういうことですので、出来たら平日は避けていただいて、日時は週末(土曜日なら幸いです)、場所は交通至便なところが...とか、まあ勝手なことですけども。
田舎からお出かけの身としては、何とかお願いしたところであります、ハイ。