さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

大統領選をにらんで? パッキャオ、来年1月再戦を検討

2021-08-26 12:52:46 | マニー・パッキャオ




先日、ヨルデニス・ウガスに敗れたマニー・パッキャオ、進退や大統領選挙出馬については来月にも、という話でしたが、ジ・アスレティックの記事によると、1月復帰の可能性を否定しなかった、とのことです。

こちらの記事にもあるとおり、足の不調を抱えながらも奮戦し、またそれを可能にしたトレーニングへの献身など、年齢やキャリアを考えれば、敗れてもなお偉大なり、とも言える試合ではありましたが、やはり敗戦というものは、すんなりと受け容れられるものではない、ということでしょう。
また、当初予定のエロール・スペンスとの闘いと比べ、勝ち負け以前に、試合後に「残った」ものが、パッキャオを満足、ないしは納得させるものではなかった、ということも、容易に想像が付きます。


ただ、純粋にボクシングの話だけで、是非を語られる再起かというと、どうもそうではないらしいので、色々と気にかかる部分があります。
要するに今回の試合、当初スペンスを、実際にはウガスを相手に闘い、勝ち名乗りを受けて、その熱狂を「元手」に大統領選挙になだれ込もう、としていた。
しかし敗れ、その目論見が崩れたので、来年5月の選挙までにウガスと再戦し、雪辱して...という理由で、再戦を考えているのではないか、という。


こういう、ボクシングそのものとは何の関係の無い話を持ち込んでいるのだとしたら、それだけで充分、危惧の理由です。
しかしそれに加えて、今回の敗因が、単にパッキャオの不調によるもの「だけ」なのか、というところも、重大なテーマでしょうね。
足が全然動かなかったのは確かでしょうが、言ってしまえばそれもこれも含めての「衰え」であって、以前の好調な自分なら...と思って闘った試合が、後に「余分な一試合」として語られる。
歴代の名王者たちのストーリーは、大抵が同じパターンの繰り返しだったりするのも、悲しいですが事実です。


もちろん、単に偉大なボクサー、チャンピオンというにとどまらず、フィリピンという国家にとって大を成すマニー・パッキャオの心の有り様、その決断は、凡百の身に計り知れるものではないのでしょうが。
しかし、今さら言うのも何ですが、やはり政治というものは、情け容赦なく、スポーツの世界では「王」者、と言われる存在をも呑み込み、様々に「絞り」取ってしまうものでもあります。

出来ることなら、そういう世界とは距離を取っていられたらなあ、と傍目には思えてなりません。
そうするには、マニー・パッキャオは、あまりにも巨大過ぎる「星」なのかもしれませんが。



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする