昨日はＷＯＷＯＷのメインがまあ、絶句モノの一戦でしたが、ＤＡＺＮ二興行の配信など、他にもたくさん「見もの」な試合があって、大変だけど楽しい一日でした。
ＤＡＺＮのメイン、というべきはバージル・オルティスｖｓエギディウス・カバラウスカスのウェルター級強豪対決。
デビュー以来１７戦、１７勝、１７ＫＯの快進撃、オルティスに対し、テレンス・クロフォード戦の健闘で名を上げたカバラウスカスの一戦。
初回から踏み込み深くジャブの応酬。２回、カバラウスカスの左フック、追撃。
オルティス懸命に返すも、空振りした後、両手をつく。打たれたダメージもあったか。裁定はスリップ。
しかし再開直後、オルティスの左ボディ、次いで右ボディが突き刺さり、カバラウスカス後退。スリル満点の攻防。
３回、カバラウスカス、ワンツーで攻めるが、オルティスが左ボディを相打ちのタイミングで返し、右から左をヒット、ダウンを奪う。
４回以降、両者正対して強いジャブ、ワンツー、クロス、ボディの応酬。オルティス優勢も、カバラウスカスも好打を返す。
激しい攻防が続き、テキサスの観衆も大興奮。
８回、打ち合いで少し下がったカバラウスカスに、オルティス肩を入れたジャブをボディへ突き刺し、ダウンを奪う。
追撃で左ボディジャブ→右アッパーと繋げて攻め、ロープ際で返しの左フックを上に。この回、二度目のダウン奪取。
さらに追撃、連打でこの回三度目。カバラウスカスなおも立ち、この時点で残り１０秒。
今時のボクサーなら、ここで見る者もいそうだが、オルティス一気に詰め、ラッシュ。左フックで倒し、レフェリーが試合を止めました。
これで１８勝１８ＫＯのパーフェクトレコードを伸ばしたオルティス、激闘の末に強敵カバラウスカスを破ってのことで、非常に価値ある勝利を上げました。
本当に、昨日のあの試合と比べると、言えば今時ではない、と思うほど、互いに当然のこととして「打倒」を求めて闘うふたりの姿には、目を洗われるような思いでした。
何も、いついかなるときにも打ち合え、倒しに行け、なんてボクサーに求めるつもりはありませんが、それでもやはり、ボクシングはコレやな、なんやかや言うたって．．．と。
それに、単に闇雲に打ち合うだけでなく、互いに、危機の後に好機を掴む、という場面があり、その切り換え、狙いの鋭さがしっかりあっての攻防で、さすが世界上位の強豪同士、という納得感が強く残る試合でもありました。
勝ち負け以前に、両者とも素晴らしかった、と思います。拍手を送りたい気持ちです。
ロジャー・グティエレスｖｓレネ・アルバラード、初戦アルバラードＫＯ勝ち、二戦目グティエレス判定勝ちを受けての三戦目は、思いのほか静かな、離れた距離の攻防。
前半はアルバラードがヒットを取っていたが、グティエレスがジャブ、ストレートをより多く決めて挽回、判定勝ち。
この組み合わせで、こんな感じの試合になるのか、とちょっと意外でした。
レネの弟、ＩＢＦライトフライ級王者フェリックス・アルバラードは、無冠戦でボディから打ちまくり、最後は右クロス食ったあとに右フックを打ち返して倒す、豪快な初回ＫＯ勝ち。
内容的には「ええのかね」とも映る部分がありましたが、本来、タイトルマッチだったのが流れた、ということで、相手とはだいぶ力の差がありました。
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昨日はＷＯＷＯＷとＤＡＺＮのライブを見比べて、我々日本のファンは、井上尚弥への挑戦者決定戦、という目で、あの試合にばかり注目していたわけですが、内容的には断然、ＤＡＺＮの方が「上」でした。
こういうものを当然のように生中継で見られる、良い時代になったものです。
バージル・オルティスが、ウェルター級のタイトルホルダーと闘って、勝算がどうとかいう話になると、それは簡単には言えない、といまだに思いはしますが、そういう話以前に、あの果敢で正直な闘いぶりは、心情的に応援したくなるものです。
加えて夕刻からのMotoＧＰは、Moto２クラスで小椋藍が２位に入り、MotoGPクラスではラスト数周でのマシン乗り換えを巡るスリリングな駆け引きがあり、こちらも見応えありな勝負が見られました（ボクシングには関係ないですが）。
改めて、一番どうしようもない試合が「メインイベント」だったのは皮肉でしたが、やっぱりライブで、或いは結果知らずで見られる楽しさに勝るものはないなあ、と思った次第であります。
