さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

話題の新星初黒星 上久保タケル、強打の油田京士に捉えられ初回ストップ負け

2015-04-03 22:48:57 | 関西ボクシング



毎年恒例の年末商戦?のあおりを受け、この辺りから賑やかになってくる日本のボクシング界ですが、
この4月から5月上旬にかけては、見たい試合が山ほどあり、本当に大変です。

タイトルマッチ関連だけでもかなり数があるので、TVで生中継や、結果知らずに見られる試合はTVで済ませ、
そうでない試合を会場で見る、という基本方針を立てていますが、それでも相当な馬鹿をやらねばなりません。

そして今日から、金土日の三日間、大阪ではなんと六興行が行われます。
今日が府立地下、明日が大阪のエルおおさかという会場で二部興行、明後日は府立地下で二部興行、
それと平行して住吉でも試合があります。

本当に、やるとなったらいっぺんですね。もうちょっと分散出来ませんかねぇ。
色々事情があるのか、それとも何も無しでコレなのかは知りませんが。

そんなことで今日は難波に用もあったので、上手い具合に観戦出来ました。
観戦ラッシュの今月は、またおいおいその度に観戦記というか感想を書いていきますが、
その皮切りに、ちょっとしたドラマを見てしまった感じです。


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井岡一翔や宮崎亮、そして中谷、石田らが所属する「井岡ジム」と「井岡弘樹ジム」が分割したあと、
我らが「会長」こと井岡弘樹会長が一押しで売り出している?若手選手がいる、という話は聞いていました。

去年の2月にデビュー以来、新人王戦には出ずに、短期間で試合を重ね、昨年大晦日までに8戦8勝5KO。
若き日の井岡弘樹にも似た路線で、連勝街道を突き進む彼、上久保タケルは、これまた若き日の会長と同じく、
マルコスと呼ばれる外国人のトレーナーに指導されていて、その様子が関西のTV番組でも紹介されていました。

しかし試合を見るのは今回が初めて。初8回戦で、相手が日本11位の油田京士(エディ)となれば、
彼が井岡弘樹の再来なのかどうかを見極める試金石としては十分過ぎるほどです。


試合が始まると、スラリとした体型の上久保、やや左を下げた構えから、積極的にジャブを出し、右へと繋げます。
スピード、切れ味はなるほど抜群で、いきなりコンビネーションも繰り出し、攻勢。場内を沸かせます。

しかしまだ試合が始まったばかりで、当然打たれも疲れもしておらず、力を削られてもいない、強打の油田相手に、
こんな自信満々に立ち上がり、仕掛け続けるのはいかがなものか...と思った直後、
油田が攻めてくる上久保に右を強打。上久保がダウンしました。

何とか立った上久保だが、見るからに効いている。油田の追撃を受け、懸命に返すが打たれ、前にのめり油田ともつれる。
両者がキャンバスに落ちたあと、レフェリーはダメージで倒れたとみて上久保に二度目のダウン宣告。実に正当な裁定。

もう止めて良いくらいかと思ったが上久保立ち、再開。油田が攻め、浅いヒットが数発、さらに追撃。
ここで上久保が数回ぐらつき、止めを刺されてはいないものの、防御の態勢が取れないのを見て、レフェリーがストップ。
ランカー油田がその強打を発揮し、新鋭を撃破しました。


もし上久保がこの試合に勝っていれば、典型的な新旧交代劇のひとつとして記憶された試合だったでしょう。
しかし油田京士は、日本王者木村悠(明日試合ですね)に挑んで敗れたのち、若き新鋭相手に意地を見せた形になりました。
そして、井岡弘樹の再来のような若きボクサーに、エディ・タウンゼント氏の名を冠し、あの村田英次郎が率いるジムの選手が
初黒星をつけるという、ドラマ性を秘めた勝利でもあったわけです。


井岡弘樹会長の期待を背負った新星、上久保タケルにとっては、試練の一戦、初黒星となりました。
その闘いはなるほど、短い試合の中でも、普通の若手とは違うスピードとセンスを感じさせるものでした。
ジャブもフットワークも速く、踏み込みも鋭く深く、アグレッシブ。順調に成長すれば、強くなるというだけでなく
誰の目にも魅力的な、人気の出るボクサーになるだろう、と見えました。

しかし、上記したとおり、強打が売りの現役ランカー、油田相手に、初回早々から探りもせず、見もせずに
最初から相手を圧倒しにかかるような闘いぶりは、あまりに無思慮、無分別なものに見えました。
自分の速さ、勘の良さを本当に信じるならば、その良さを最初から振りかざすのではなく、本当に必要なときに
それを発揮する試合を展開するべきでした。

今回の試合は極めて厳しい結果となりましたが、彼には優れた素質が見えたのも事実です。
この敗戦を教訓として、再起してきてほしい、さらなる成長への糧としてほしいと思います。
確かまだ18歳だか19歳だかという話でした。まだまだ時間はたっぷり残されているはずです。


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今日はメインが女子の試合。OPBFのスーパーフライ級王座決定戦でした。
井岡弘樹ジムの「ぬきてるみ」という選手がファイタースタイルで、フュチュールジムの小沢瑶生がボクサータイプ。
序盤はぬきが優勢も、徐々に展開が変わっていき、小沢が逆転で勝利しました。

セミは大沢宏晋がインドネシア暫定王者アリエフ・ブレイダーを9回KO。
若干攻めあぐみましたがボディから攻め、最後は右ストレートで沈めました。

久高寛之は、久留米櫛間ジムのサウスポー、中山佳祐を3回と6回に右カウンターでダウンさせ判定勝ち。
6勝1敗1分の中山、左を好打したものの、要所でカウンターを食い、敗れました。
久高はサウスポー相手で、若くて体格のいい相手にやや苦戦の印象も、右の威力はさすがでした。


コメント
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