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琳派誕生400年記念 琳派 京(みやこ)を彩る

2015-11-23 23:18:43 | Museum

2015.11.23. Mon.

 京都国立博物館 平成知新館  『琳派誕生400年記念 琳派 京(みやこ)を彩る』  2015(平成27)年10月10日(土)~11月23日(月・祝)

   

会期最終日の夕刻、ぎりぎりに滑り込む。

   

   

最終日で祭日、混雑を覚悟していたが、4時ごろの入場だったので、流石に少し混んでいる程度ですんだ。

観たことのある作品が大半だったが、テーマを通しての展示は見やすくて良い。

絵画が多く、工芸目当ての我々には少し物足りなかったかな。 特に野々村仁清の作品が少なかったのが残念。

「鶴下絵三十六歌仙和歌巻 本阿弥光悦書・俵屋宗達下絵」は見応えのあるもので、下絵の配置、書の置かれる部分と濃淡が見事なハーモニーで、二人のデザイナー・センスは流石天才!と唸らされた。

「八橋蒔絵螺鈿硯箱 尾形光琳作」はもう10回目ぐらいの出合いかも。 毎度感動するのだけど。

展覧会の見どころ

 琳派とは、江戸時代に現れた装飾的な作風を特色とする、俵屋宗達、尾形光琳・乾山、酒井抱一といった芸術家の一群をゆるやかにつなぐ言葉です。その源は、京都洛北の鷹峯に住し、書をはじめ様々な芸術に関与した本阿弥光悦へと遡ります。本展は、光悦が徳川家康から鷹峯の地を拝領して400年となることを記念し、琳派誕生の地である京都において初めて開催される本格的な琳派展です。琳派の名作を一堂に集め、その都ぶりな美意識、日本的と評される特質をご堪能いただくとともに、琳派の系譜をご紹介します。

光悦と宗達

信長、秀吉、家康―天下の覇者がめまぐるしく入れ替わり、世情不安定な時代の都に、光悦と宗達は生まれました。刀剣の手入れや鑑定に携わる家に生まれ、錚々たる武将たちと交わり、書家として、また陶芸家や漆芸のディレクターとして活躍した光悦。俵屋という絵屋を経営し、公家や社寺、上層町衆のために扇絵や障壁画などを描いて名を知られたという宗達。二人の交流は、美麗な料紙装飾と豊麗な書の競作によって、現代に伝えられています。

宗達、光悦共演―光と歌のシンフォニー 全期間、全巻、全長13.56メートル初公開!
海上を飛翔し、地上で羽を休める鶴が金銀泥で描かれ、その上に三十六歌仙の和歌が書される。緩急自在に展開する宗達の下絵と光悦の書は、観る者に息をもつかせぬ圧倒的なもの。かつてこの作品を入手した陶芸家・荒川豊蔵は、箱蓋裏に「天恵」と大書した。

  重要文化財 鶴下絵三十六歌仙和歌巻 部分 本阿弥光悦書・俵屋宗達下絵 京都国立博物館 <展示期間:全期間>

光琳と乾山

徳川の治世がもたらした平和と繁栄の時代、元禄。琳派誕生からおよそ百年後のこの頃、京で壮年期を過ごしたのが、尾形光琳・乾山の兄弟でした。光悦とも縁戚関係にあった尾形家は、洛中でも指折りの高級呉服商・雁金屋。恵まれた環境にあった二人は、おそらく光悦や宗達の作品を身近に、書画や能などの教養を身につけて育ちます。
贅沢な暮らしが身になじんでいた二人は、自分たちが手にしたいものを制作したのではないでしょうか。そしてそれは、高級品を享受する人々が居住し、それを作り出す職人たちが集住する京であったからこそ可能だったのです。

京を彩る豪奢と美意識 尾形光琳
『伊勢物語』のうち三河国八橋での挿話は、「燕子花図屏風」「八橋図屏風」としても結実する、光琳お気に入りの主題。この硯箱もまた、同主題により、燕子花と板橋のみで物語を暗示する。硯箱としては異例な姿や、鉛板や割貝螺鈿を大胆に用いる趣向に、光琳蒔絵の特質が示される。

    国宝 八橋蒔絵螺鈿硯箱 尾形光琳作 東京国立博物館 <展示期間:11/3~11/23>

京を象る夢幻とロマン 尾形乾山
金彩、銀彩や銹絵や染付、白泥を用い、まるで蒔絵や金銀泥絵などを想わせる蓋物である。蓋を開けると、内側に打ち寄せる波が描かれており、蓋上の松と合わせ、海辺の様子を表している。漆器や絵画の手法をやきものに用いるという意表性は、乾山ならではであろう。

    重要文化財 松波文蓋物 尾形乾山作 出光美術館 <展示期間:全期間>

光琳を受け継ぐ 江戸琳派

江戸に幕府が開かれておよそ200年。それまで京大坂の文化に追随してきた江戸は都市としての成熟を迎え、戯作や浮世絵版画に代表される洒脱な世界が、武士や富裕な町人によって生み出されました。その中から登場した酒井抱一は、江戸文化を謳歌する粋人でした。
抱一が成し遂げた重要な事業が、文化12年(1815)の光琳百年忌にあたって出版した『光琳百図』と『尾形流略印譜』。光琳の作品をまとめるとともに、これまで流派として意識されていなかった芸術家たちを尾形流として整理し、現在の琳派研究の礎を築いたのでした。

悠々たる情趣 酒井抱一
背面全体を花咲く紅梅一樹で覆う描絵の小袖。立木文様と通称される、きものに類型的な意匠構成に基づくが、抱一の筆力により格別の印象に仕上がっている。光琳とは一線を画した写実的な画風だが、日々の暮らしを彩るという琳派のDNAが抱一にも確実に受け継がれていたことを示す。因州池田家伝来。

 

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2 コメント

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Unknown ()
2015-11-28 02:12:39
ややニアミス、笑。その頃夕方清水寺で用を済ませて坂を下りてました。

日曜美術館で、下絵と書の合作は、一部書の上に絵を描いているところも見せてくれてた。2人がそれっ!とjam sessionの様にほぼ同時スタートして絵と書を走らせたのかもと思って気持ちが高まったわ。
想像して気持ちが高まったわ。
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Unknown (non)
2015-11-28 20:39:56
想像を膨らませるの、楽しいよね♪

またすれ違うのでは、と思ってたのだけど、本当にニアミスとは…
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