1月15日(月)快晴
砂漠のガソリンスタンドでフロントグリルに激突したバッタを土巣鳥がジャンプして食べていた。バッタは体長3~4㎝で5~10m飛ぶ。地表から3-5センチメートルの深さに産卵。昔は農地を耕すことでバッタの卵は地上に露出し乾燥して死んだ。しかし現在では土に穴をあけて種を入れる農業技術のため、ほとんどの卵が死なずに生き残こる。バッタは農作物の食害の他に、車や飛行機のエンジンに吸い込まれて交通渋滞を招く。豪州の被害は主として牧草地帯。穀倉地帯は距離が離れているので被害は少ない。
1月14日(日)快晴
ヨーキーズノブの人口は2776人の海辺の村。10年前にシドニーからケアンズに引っ越して来た僕は、この村に6か月間住んだ。アパートの東側=海側は「グッドウッド・パーク」という名の公園に面していた。公園を横切って1分でビーチに行けるので、1㎞の砂浜を毎日散歩した。砂浜にはピピ貝が沢山いて、味噌汁の具に利用した。アパートの西側はクリークで、蚊と大ヒキガエルとニシキヘビとワニが多かった。携帯が繋がりにくい村だった。
1月13日(土)快晴
豪州のハエ問題は深刻だ。大型の家畜や野生動物が人間の100倍もいる。豪州政府もハエ撲滅のために世界各地からフンコロガシ(糞転がし)を導入したが目に見える効果はない。シドニーやメルボルンは郊外に羊牧場があるのでハエが多い。ケアンズはサトウキビ畑ばかりないのでハエはいないが、高原には多い。砂漠のハエは水分を求めて背中の汗や目や口を攻撃する。コルクの簾(すだれ)の帽子はほとんど無効。ネットをかぶれば煩わしいし、飲食ができない。
1月12日(金)快晴
4駆のスバル・フォレスターは購入から12年。走行距離は107,098㎞。フロントガラスは車両保険で無料交換ができる。砂漠ドライブで少し車体が汚れているが、水不足の豪州では洗車は奨励されていないし、洗車は塗装を傷めると言われている。空気のきれいな豪州ではスコールで洗車できる。老体にかかわらずエンジンの調子は良いが、そろそろ売り時だ。ユミは1年の半分は日本だし、それは今後10年間続きそうだ。2台の車を保有する意味はない。
1月11日(木)曇
「アウトバック」と呼ばれる大陸内部は決して不毛の地ではない。鉱物資源は豊富だし、極度の少雨地帯を除くと乾燥に強い草が所々に生えて牧場に利用されている。個々の牧場は日本の1つの町や1つの県ほど広いので、自動車道から家畜の姿は見えない。しかし野生の犬=ディンゴが牛や羊を襲う。ディンゴの侵入を防ぐ頑丈な柵が砂漠の中に数万㎞も続く。
1月10日(水)快晴
日本では高速道路が有料で、買い物や買い食いが大好きな国民に合わせてサービスエリアも充実している。無人のパーキングエリアにも沢山の自販機が並んでいる。豪州では約100㎞ごとにロードハウスがあり、ガソリンスタンド、食堂、宿泊施設を備えている。無人のパーキングエリアは全国的にゴミバケツ、東屋、トイレがあるだけ。雨水をためる大型タンクがあるが水洗ではなく、手洗い用。しかし汲取りではない。バキュームカーが時速110㎞で2000㎞の距離を爆走なんてことはない。酵素分解式トイレだ。
1月9日(火)曇時々雨
早朝5時半に宿を出て11時間半で780㎞走り走り続けて、午後5時に帰宅。国道1号線はあちこちで拡幅工事が行われていて、80㎞の速度制限の箇所が多かった。結局2週間の予定の砂漠ドライブは6日間で終了。全走行距離は4160㎞。フロントガラスの亀裂は5㎝広がって25㎝。崩壊寸前。予定を変更して引き返して正解だった。
1月8日(月)快晴
今日はローマからロックハンプトンまで530㎞を走る予定だった。しかし東に向かっても朝日がまぶしくないこと、道路が貸切状態だったので、マッカイまで11時間で950㎞を走破。マッカイは人口85,455人。サトウキビと石炭の輸出で栄えている街。郊外のサリーナに製糖・蒸留酒工場があった。午後4時半なので見学は大丈夫なはずだが、帰り支度中の係員に入場を拒否された。バンダバーグのラム酒工場の方が立派だから、見れなくてもいいけど。
1月7日(日)快晴
一昨日ロングリーチで水、食料、予備のガソリン30リットルを購入。豪州の田舎町では、土日は経済活動はほぼ停止するからだ。蓄電器も満タンにし、フロントガラスの亀裂は瞬間ボンドで補強。今日は12時間840㎞走り続け、エロマンガを経てローマに到着。ロ‐マの人口は6900人。名前の由来は知事夫人の名から。、ここもかつては牧畜と鉱業の町だったが、近年は石油とガス。しかしガソリン代は高い。石油とガスのの博物館があるが本日は休館。ボアブの街路樹の町だ。
1月6日(土)快晴
ウインドラとエロマンガまでは舗装道路で何とか進めるが、その先はとんでもなく路面状況が悪そうだ。バーク探検隊が行き違いになった悲劇の「Dig Tree」、終焉の地=インナミンカ、年1回競馬が開催されるバーズビルは今回は割愛。クーパーズ・クリークが流れるウインドラと3大珍名の街=エロマンガの2か所を踏破したら砂漠地帯を脱出して、ひたすら安全な東海岸を目指す。2週間の旅程は1週間に短縮されるだろう。
1月5日(金)晴
対向車に石を撥ねられたらしい。フロントガラスの右下隅に長さ30㎝の亀裂。明日から冒険道(Adventure Way)に入る。冒険道は道路の歴史遺産のようなもので、、未舗装道よりずっと過酷だ。振動で亀裂が広がってフロントガラスが崩壊すると冷房は効かず車内はは灼熱地獄と化す。前進は危険だ。ケアンズに戻る安全な道は2000㎞以上。舗装道路をゆっくりペースで走り、砂漠地帯を脱出し、一級国道を通って東海岸に出よう。
1月4日(木)曇
午前6時に家を出て国道1号線を400㎞南下。タウンズビルから国道6号線を西へ350㎞。午後4時半にヒューエンデンに到着。本日の走行距離は750㎞。十和田から東京までの距離。薄曇りだったので気温も上がらず、西日も過酷ではなかった。上々の第1日目。一級国道だったので運転は楽だったが、明日からは路面状態が悪くなる。途中で水牛牧場を見た。水牛の肉は美味いものではない。多分水牛チーズを作っているのだろう。