6月10日(月)曇後晴
医師の医療倫理・任務などについての、古代ギリシアの神への宣誓文。医療倫理の根幹をなす患者の生命・健康保護の思想、患者のプライバシー保護のほか、専門家としての尊厳の保持、徒弟制度の維持や職能の閉鎖性維持なども謳われている。特に問題になるのは次の文言。「医術を教えてくれた師を実の親のように敬い、自らの財産を分け与えて、必要ある時には助ける」。日本医師会や帝大系医学部などでは、この誓いを金科玉条のように絶対的な制度化し、インターン制度や医局制度を正当化した。改革派医学生は「奴隷制、性差別、秘密主義、権威主義、魔術」と批判を浴びせた。