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Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

Iannis Xenakis / "Pléïades"

2006-10-22 11:15:23 | art music
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□ Iannis Xenakis / "Pléïades"

Métaux

(私が過去にEnigma会議室へ投稿したログより転載、一部改訂)

数学者、建築家(あのコルビュジェに師事)でもあるイアニス・クセナキスという現代作曲家の方法論を要約すると、ポアソン分布をはじめ、確率関数、複素数関数など、主に数理構造に基づいた音の群像から抽出される聴覚刺激のパターンを音楽として呈示するというもの。

更に音素を構成する「波長」「時間行程」「リズム」という様々な要素を定量的にコントロールするという点で、あくまで西欧音楽史の体系にあって、同時代の作曲家よりも踏み込んで「音楽」という肖像を現代的な世界観の認識に重ねた、真の意味での革新をもたらした人物と言っていいでしょう。敢えて芸術のダイナミズムに置き換えるなら、論理に美しさを、美しさに『力』を見出すプロセスでしょうか。。

ストラスブルグのパーカッショングループによって演奏された今作は、怒涛に打ちつける数々の音色の断片を、定理構築されたリズムのフレームにフォーカスして、ある一定のフラクタル構造を成すように設計された結晶体。音群としては機能しているのに、隣接する音と音の間には関係性を見出すことは出来ず、意識を砕いて局所に染み入らせても、まるでドット状に分解されてどこまでも透明になっていくようですらあります。音の間隙を満たす空間は、その両極から染み出す絶えざる反応の触媒であり、即ち量子的な揺らぐ無の概念ではないでしょうか。

あくまで「どう聞こえるのか」を重要視するなら、ガムランの現代的解釈?しかし聞き手の情動に呼応するものはいわゆる伝統的な音楽性ではなくて、もっと形而上にある有機体としての記憶、電子の振舞いのなす包括的な群像との共時性であって、正に一部と全体との環が閉じる衝突と波状のダイナミクスを感じます。


□ Tunes of the Day

□ Unknown Artist

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