□ Milyoo / "Archeology"
♪ <script type="text/javascript" src="http://mediaplayer.yahoo.com/js"></script>Colours
♪ Swoon
Release Date; 05/Dec./2011
Label; Opit Records
Cat.No.; OPT007CD
Format: 1xCD, Digitally
>> http://milyoo.wordpress.com/
>> http://opitrecords.bandcamp.com/releases
>> tracklisting.
01. Face To Face
02. Dasein
03. Field Work
04. Pulley
05. Colours
06. Tough Enough
07. Swoon
08. Down Like You
09. Get Some
10. Windows To Love
この2年間、主にUK Undergroundシーンにおいて急速に注目を集めているDub Step コンポーザー、Tommy WilsonのMilyoo名義によるデビューアルバム。才媛Subeena主宰のOPITレーベルよりリリース。
『考古学』のタイトルが示す通り、Milyooの紡ぎだすサウンドはダブステップという一辺倒の手法を擬えたものではない。
レトロなディスコサウンドからシンセの旋律法、テープ・コラージュなど、テクノ・ハウスの文脈における古典的な手法に、それと不協和音をなすようなテクスチャの構造、いびつな低音や、どこかトライバルフレーバーさえ感じさせる断片化されたヴォイス・サンプリングを重ね、クラシカルとテクノロジーとのアスペクトに二層化された、情報化されていく現代のアーキビスト的時代精神を以て、そのスキームの邂逅が齎す新たな音楽の地平を見出している。
"Dasein"や"Pulley"などでも顕著なように、Milyooのサウンドの構造的な特徴は、楽曲の表層で踊る高調波と対を成すように潜航するBPMとの、それら界面層の摩擦が産み出すアンバランスでサイケデリックなグルーヴであると言える。
リードトラック"Face to Face"における生音のコラージュや、"Fieldwork"のストリングス・ループ、"Swoon"で聴かれるIDM系のドープなチルアウトも、Wilsonが所謂"DJ Track Maker"ではなく、一個のコンポーザーとしての姿勢で、その独自の低音法にマークを印証している。
民族的にも響くVocal Samplingは、部分的に非可聴であるほど切り刻まれ、一部はベースを構成するほど加工され、低音をブーストしているという。Milyooのスタイルを裏付けるのは、こうした『声』を扱う美学と、シンプルでありながら摩訶不思議な低音構造を配列する構造的な意匠に依るところが大きい。
こうして作曲家としての姿勢を一貫して作り込みを重ねられたサウンドは、Deep Houseにも接近して、"Floor Friendly"とも評価される所以であり、クラバーの訴求に相反するものではない。非常に器用な音楽とも言える。
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