また日が沈んでいく。
何年も何年も、もう二度とは迎えられない今日を、幾つ無為に見送ったのだろう。
眩しい季節は一瞬なのに、まるで時を止めたかのように胸を焦がし続ける。
「何」を間違ったかのではなく、「いつ」を見逃したのだろう。
どうして、無くなってしまったはずのものがあると思えるのだろう。
どんな形であれ、夢は叶わない願いも、報われなかった想いも、どうしようもなく剥き出しにする。
幸せを望んでいなかったわけじゃない。秒針が刻むのをいつも横目に見ていた。
時の歩みはまるで鎮痛剤を打ったように鈍い。
踏み出すのを躊躇った数だけ、踏み外した後悔が重くのしかかり、甘い想い出が棘に変わる。
ありもしない予想図を繰り返し思い描いては、過去を台無しに塗り潰していた。
夢はそうして埋葬された理性の墓場から呼びかけるのだ。
その遺灰と、このさき失われるものとを天秤にかけるために。