lens, align.

Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

Schiller / "Sonne"

2012-10-26 20:52:46 | music12
Sonne



□ Schiller / "Sonne"

♪ <script type="text/javascript" src="http://mediaplayer.yahoo.com/js"></script>Morgenrot
Epic Shores
Reprise
Sonnenwelt Drei

Release Date; 05/Oct./2012
Label; Islands
Cat.No.; 06025 3707423 5
Format: 3xCD + 2xDVD-V, PAL + Box, Ltd (Ultra Delux Edition)

>> http://schillermusic.com


>> tracklisting.

Disk.1
01. Willkommen
02. Solaris
03. Kon-Tiki
04. Revelation
05. Sonne (mit Unheilig)
06. Mitternacht
07. Hallucinating Beauty (mit Kate Havnevik)
08. Morgenrot
09. Alive (mit Adam Young)
10. Berlin - Moskau
11. Lichtermeer
12. Soleil de Nuit (mit Pierre Maubouche)
13. Reach out (mit Meredith Call)
14. Das Dritte Auge
15. Velvet Aeroplane (mit Kate Havnevik)



Disk.2
1. Sonnenuhr
2. Oasis (mit Kate Havnevik)
3. Sonnenwelten
4. Epic Shores (mit Meredith Call)
5. Energy (mit Brownlow)
6. Pale Blue Eyes (mit Andrea Corr)
7. Ultramarin
8. Dancing In The Dark (mit Ameerah)
9. Klangwelten
10. Lay Down (mit Paper Aeroplanes)
11. Geborgenheit
12. Sahara Avenue
13. The Silence (mit Meredith Call)
14. Reprise



Disk.3 - Sonnenwelten
01. Sonnenwelt Eins
02. Sonnenwelt Zwei
03. Sonnenwelt Drei
04. Sonnenwelt Vier
05. Sonnenwelt Fünf
06. Sonnenwelt Sechs
07. Sonnenwelt Sieben




Related: lens, align: Schiller / "ATEMLOS" Review



ドイツを中心に、現在New Age/Electronicaというジャンルにおいて最もコマーシャルな成功を収めているSchiller (=Christopher Von Deylen)の7th Album.


今作のモチーフは"Sonne (Sun)"。その名の通り今回は太陽の眩しさ、暖色を思わせる音色や、アッパーなトラックが強調され、前作"ATEMLOS"のシンプルで冷涼な曲想との差異が印象的である。



恒例の通り、作曲段階~ヴォーカル・パフォーマンスにおいて、国内外、音楽シーンの各方面から、ジャンル問わず様々なアーティストがコラボ、共演している。

中でもOwl CityのAdam Young、The CorrsのAndrea Corrなどの起用を見るだけでも、この作品が、今までになくポップな造りを指向したアルバムであることを窺い知ることが出来るだろう。



だが、"Sonne"の特色は何も、その曲想の「熱量」だけには留まらない。ガムランチックな打楽器の演奏も今作の大きなファクターであるものの、より民族音楽的、プリミティブな音色で彩るにあたって、その対極にあるアトモスフィア、ストリングスなどの伴奏は、とりわけ悠揚とソフィスティケイトされている。

照り返す『陽光』、あるいは脈動をイメージさせる重低音のパルスなど、そのテーマを表現するにあたって貫徹したコンセプチュアルな姿勢は、まさにコンポーザーというよりも、「芸術家」と呼ぶに相応しい域にある意匠だ。



『Schillerモード(旋法)』とでも呼ぶべき、独特のオリエンタルな主題の変奏やアレンジの数々も聞き所の一つだが、中でも"Sonne"のメイン・タイトルとも言える旋律をフィーチャーした、"Epic Shores"と"Klangwelten"の対比は面白い。

トランスシーンで売れっ子の女性ヴォーカリストであるMeredith Callを招聘した"Epic Shores"は、間違いなく"Sonne"のハイライト・トラックであり、あの形態のモチーフをここまでダンサブルなボーカル曲に仕上げた例は、Schillerにとっても初めてではなかったかと思われる。



『太陽』の名を冠した今回のアルバム、その悠久の輝きと恵みのモチーフ化にあたって、それが与える扇情的で高揚感溢れるポジティブな音作りに徹してはいるものの、良くも悪くもオールドスクール、10年前から保守的なサウンドに留まり続けている。

だが、そうしてファンを着実に増やし続けている『Schillerの音楽』に一つ認めるものがあるとすれば、時代を超えた普遍性と、テクノロジーのアップデートの共存。その部分が、テーマ的に扱っているサンプリング要素である民族音楽の感傷性と相俟って、人の心を打つのではないか。



同じ音楽ジャンルに属するものとして対比されるEnigmaが、常に変化を標榜した作品を世に送り出してきたこととは対照的に、Schillerのとった「変わらない」という選択は、もはや音楽スタイルの保持と言った意味以上に、グローバルな音楽要素それぞれに通じる民族を超えた恒常性や、そこにある太陽の如き常在性、その美しさへの讃歌であることを示顕すると言っていいだろう。