lens, align.

Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

anti-clockwise.

2008-08-22 17:22:54 | 日記・エッセイ・コラム
月華星芒 氷蒼の草原を渡る
雲影白くして 荘重なる群聚の暈をなし
遥遠の崖下に振り放つ 星辰の滴瀝を見る


そこには一切の静寂があった
玲瓏たる風輪の響きも
熒熒として寄せ還す 下瞰の潮鳴りも
逆巻く光の秒針に隔絶された
無窮に架かる天地の界標へと
融けて消えゆく


鏡なす わたしの思慕など
お構いなしに 月夜見は星天を巡るのだ

交わす言辞は凡その意味を失い
瞑目すれども遮られず
内と外とにあるものが混流し
以てわたしというものを
収斂する?の彼方から
この月明の下に透き通す

暗翳の縁 この断絶の向こうまで
散らばした岩々の漆黒の切片が
牙鳴らす禍因の顎を象る


刹那 わたしは信より深き理解に至る
宿世より抱かれていた あの遠い幻想も 
総てが生与のものであったことを

人は皆 あの孤独な灯浮標の如く闇黒をたゆたい
各々が各々の導となりて
己であるものに成り変わるのだ


かの群雲は 今や遠離に至って
悠然と渡り 降る星々を纏う

わたしは依然として孤絶したまま
屹度 此処より乖離することで
わたしたちは初めて一つとなるのだ

そして忘却こそが 
過謬する記憶を留めおく最良の箍である。