“人間万事塞翁が馬”、クアトロの父の好きな格言である。
サイじいさんの馬が蜂に刺されてどっかへ行ってしまい悲しむが、やがてその馬は素晴らしい白馬を連れて帰ってくる。
その白馬に息子が乗っていると落馬して足を悪くしてしまう。
無為湖の怪我を悲しんでいると、戦争が起きて村の青年はみんな戦死してしまうが、サイじいさんの息子は足の怪我で戦争に行かずに助かる。
良いこともあれば、悪い事もある。
なにが良いことで、なにが悪いことかは解らないという言葉である。
“人間万事クアトロ翁の牡蠣”
クアトロじいさんの店では、東北の牡蠣が入荷しなくなり、悲しんでいたが、色々な産地の牡蠣を使っていると、やがてサロマ湖の牡蠣にめぐり逢い、その端麗な美味しさにお客様も喜ぶのだった。
また、カキの味噌クリームと云うパスタも、広島産のむき牡蠣に出会い、濃厚な旨味と牡蠣の甘みがパスタに良く合うことを知って喜ぶのだった。
しかし、その牡蠣の人気が高くなると、売り切れることが多いのだった。
すると、牡蠣の代わりに注文したオーロラサーモンやポルチーニのリゾットなどクアトロの新たな美味しさに出会うのだった。
めでだし、めでたし。
※サロマ湖のカキはオホーツク海に面した日本最北端のカキの産地だ。
サロマ湖はオホーツク海の冷たい海水とサロマ別川が混じる汽水域で、カキの養殖には最適の環境である。