京都市街、「千本ゑんま堂」に建つ珍しい形の珍しい十重の塔。
多層石塔と言えば頭に浮かぶのは大抵十三重の塔なのに・・・ここのは十重の塔。
千本ゑんま堂は本尊に閻魔大王置き、平安朝京洛の中心道路である朱雀大路(現千本通)頭に位置する。
この辺りは、あの世へ通ずる処として亡きがらをここから送った事から精霊迎えの根本霊場として古来より有名。
そんな境内の片隅に「紫式部の供養塔」と言われる石塔が在って異彩を放って居る。
高さ約7m、三層から上は普通の層塔と変わりなくy根石を積み重ねているが、初層は裳階つきの屋根、二層軸部には角柱を設けた中、胎蔵界四仏の種子刻み込む。
初軸部の角は面取りを施し、各面に舟形を沈め中に四仏を刻み出している。
また基礎石は低い円柱形で側面には舟形の中、多くの地蔵立像を配し、これまでに見たこともない形式です。
初層、弥勒仏だと思われる脇面には南北朝後期の至徳三年(1386)の刻銘が読み取れる。
嘗て紫野白毫院にあったものをここに移したとか??・・・・またこの塔は2重の宝塔と十三重石塔の一部を組み合わせたものだとされて居る様です。
撮影2012.9.6