今にも倒れて来そうな程、弓なりに建つ九重の石塔。
天下分け目の天王山、その中腹建つ宝寺(たからでら)と呼ばれている真言宗智山派寺院。
<宝積寺三重塔(重要文化財、桃山時代 慶長九年 1604年建立、本瓦葺、高さ19.5m>
山崎の合戦の折には羽柴秀吉が一時この寺を陣所とし、山崎の合戦で亡くなった人を弔うため一夜で建立したという「秀吉一夜の塔」は良く知られている。
そんな本堂に向かって左脇、見るからに不安定な石塔が建っている。
宝積寺は、奈良時代 神亀四年(727)に聖武天皇の勅願寺として僧「行基」開創・・・、石塔には聖武天皇御塔の伝承がある。
九重石塔(町指定文化財)は、元、五重であったといわれ・・・良く見ると上層三笠は確かに違う、そう言えば三層目の屋根石も明らかに違う様な気がする。
初層軸部には四方仏・・・正面には二重光背形を彫りくぼめ、中に薬師如来坐像を半肉彫りする。
四層目軸部には仁治二年 (1214)の銘があり、鎌倉時代中期の造立。
一方こちらは境内脇、「秀吉一夜の塔」近くで見掛けた石造物。
小石仏は殆どが室町後期から・・・・
江戸初期までの物が多いような気がします。
眼下に木津川、宇治川、桂川の三川が合流して淀川と成る景観を見渡せる。
撮影2012.10.7