愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

大分県宇佐市(旧:院内町) 両合棚田

2011年05月22日 | 棚田景観

近年毎年「年」を重ねるごとに気候は不順になり、天候は不安定、自然災害は人為災害と相俟って益々ひどくなり、ついにこの前の大災害。

それでも季節は巡って何事も無かったように自然は移ろう・・・。

この地、大分県宇佐市の両合(りょうあい)棚田を訪れたのは去年のゴールデンウイーク、温暖な土地柄か山間僻地のこの棚田でも未だ田植えの準備さえ始まって居なかった。

院内中心より恵良川を遡り更にその支流沿いを上流へ上流へと登っていくが途中、此処がその棚田かと思うほど風光明媚な院内町上余付近から更に峠を一つ越えると目の前が開けて全面に棚田が飛び込んでくる。

宇佐市院内町は日本一の石橋の町、この山奥の棚田を流れる滝貞川にも旅人の旅情を煽るように鄙びた石橋が掛かっている。

勿論石橋の有る棚田として「日本の棚田100選」にも選ばれ、懐かしい日本の風景が残っている。

<峠を下った集落入り口辺り>

峠を下りきると山あいを谷川が流れ、その両側の斜面いっぱいに棚田が幾重にも重なり、上部には集落の家並みが点在している。

この時期と言うのに棚田には誰一人として人影も見えず、ご多分に洩れずここでも既に耕作放棄された棚田も目立つ。

しかし苔むした棚田の石垣から垂れ下がる藤の花、

棚田ごとに咲き乱れるれんげそう・・・

もう今では農耕車でさえ通れない石橋・・・

この石橋は両川岸にある滝貞と小平の集落を繋ぐ必要不可欠な橋として大正末期に架設されたとか・・・・

両合棚田は約4ヘクタール120枚の棚田で構成されて居るといわれていますが年々衰退の一途を辿っているのは誰の目にも明らかです。

残して欲しい、残って欲しい景色だけどそれは部外者の勝手な言い分・・・・・・。

撮影2010.4.30