此の滝本墓地は石仏ファンにとって嬉しい墓地、地元の人にとっては、ただ胡散臭く怪しい親父に違いないけど・・・・。
麓、桃尾の瀧より老骨鞭打ち、ゼイゼイ言ってやっとの思いで辿り着く・・・・・(歳は取りたくないけど止められない)
まず最初、墓地入口辺りで迎えてくれる六体地蔵さん。
別段珍しくも無いが、像容保存共に良く江戸時代中期の正徳三年(1713年)の刻銘がある。
墓地内をを通り奥まで行くと左手木立の下に岩が突き出し、二体の地蔵磨崖石仏が刻まれている。
一体は高さ3m程の上部がせり出した岩に長方形の深い彫り窪みを造り、方形枠内に刻まれた像高90cmばかりの地蔵菩薩立像を半肉彫りで刻みだしている。
方形外左手の岩肌には大きな浮き彫り五輪、右手上部にも複数の五輪塔が刻まれて居て賑やかな岩です。
地蔵の左右にはたくさんの刻銘が有るが、ここでも紀年銘は無く、法名三人と阿弥陀の文字が確認できる。
風化摩耗も少なく地衣類の繁殖もひどくなく優品です。
こちら大和方面で良く見かける切れ長の目に、端正な顔立ちの地蔵さん・・・、江戸初期の造立だと言われている。
もう一体の地蔵は直ぐ右脇の別岩に舟形光背を持つ像高50cm程の地蔵菩薩立像。
樒の大枝に覆われて立つ此の地蔵さんは少し頭でっかち、先ほどの地蔵さんとは全く別の顔を持っている。
舟形光背外の左右上部にはやっぱり月輪内の梵字仏??
引き返しざま墓地内を眺めて目に付いた石仏・・・・・左右下部に地蔵を置いた阿弥陀三尊
こちら墓地中程の阿弥陀如来。
棺台を前にして胸元で断裂した阿弥陀如来、左右に軒反りの少ない五輪塔・・・・
まさに此の墓地は石仏パラダイス、朽ち果てた捨て墓の墓標はここがもう使われることのない墓地だと物語っている様です。
僕などはもう慣れてしまったのかこんな空間が妙に落ち着いたりするもんです。
撮影2011.5.15/2009.11.14