愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

伊賀市島ヶ原 石薬師磨崖石仏(再UP)

2011年05月12日 | 石仏:三重

以前ここを訪れたときに確認できなかった阿弥陀三尊を確認するため再度訪れ、写真も新しく撮って来たので再UP です。

三重県伊賀市の最西端に位置する島ヶ原は京都府の最南端の南山城村と県府境を接し、我が山城の母なる河、木津川の上流域に有って長閑な里山風景の広がるところ。

JR関西本線島ヶ原駅の脇を通って線路を越え道なりに切り通しを越えると全面に長閑なさとやま風景が広がり、右手にそれと解る立派な石碑も立ち駐車スペースも用意され、道路わきの一段下がった田んぼの横手に小さなお堂が見える。

石仏はこのお堂(覆堂)の中に祀られ、正面は引き戸によって閉められているが、誰でも自由に引き戸を開けてお参りすることが出来るように成っている。

この地には元、岩動寺(薬師寺)という正月堂の一堂が有り此の石仏が本尊だったという。

石仏は大きな花崗岩の表面に刻まれ、覆堂により守られて来たのか保存も良い。

<こちら2006年撮影>

<こちらは2011、今回撮影>

自然の花崗岩の右側に高さ50cm、幅54cmの薬師如来、円光背を背負い右手は施無畏印左手には薬壷を持ち、蓮華座上に座している。

どの像にも彩色が残っているが当初からのものか後補なのかは解らない。

向かって左側には阿弥陀三尊立像を半肉彫りで刻んでいる。

中尊の阿弥陀は像高さ78cm

脇侍の観音、勢至は、共に像高約50cm。

やっぱり彩色が残って薬師如来、阿弥陀三尊立像、ともに南北朝時代のものと推定されている。

一方同岩肌の覆堂外部にも阿弥陀三尊立像が刻まれているがその前方に大岩が落下してきたのか、ちょうど邪魔をするように居座って居て前方からは見ることが出来ない。

細い隙間に身体を通し何とかワイドレンズで撮影してきた。

色々試しに撮影してみたが何とか納得

中尊阿弥陀如来は像高約60cm、脇侍は共に約40cm

何とか無理やり真正面からも撮影出来た。

岩越しに逆方向からちょっと望遠で・・・・・。

覆堂横の柵に写真のような乳房が吊り下げられていた。

多分近所の人たちのささやかな願いをこの薬師石仏に願掛けしたものだと思われ、ほほえましい。

撮影2006.212/2011.5.7