Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

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2010年9-10月のつぶやき

2011年01月08日 | 医学と医療
ブログを書くよりtweetのほうが気軽なので,最近はtwitterで済ませてしまう傾向にありますが,昨年の9-10月のtweetをまとめてみました.研究会等で伺っておもしろかったことや,回診前に勉強したことのメモなどが中心です.読みなおしてみると,twitterでは字数制限のため,情報のソースを十分に示していない点が問題かもしれませんね.


ジストニアを呈しうる SCD の鑑別;SCA3,SCA17 > SCA6,SCA7,SCA8,SCA12,SCA14,EA2.
SCA14は若年齢で錐体外路症状あり.EA2(CACNA1A変異)は小児期に発作性小脳失調にて発症し,40歳代以降でジストニア出現.
2010年9月16日

可逆性後白質脳症症候群(PRES)の原因の一つとして,低マグネシウム血症が知られているが,既報例ではシクロスポリンが使用されており,低マグネシウム血症が本当にPRESを引き起こすのか検討の余地がある.
9月30日

アルコール依存症では,栄養不足,慢性下痢,尿からのMg排泄増大のため低マグネシウム血症が生じる.Mgはチアミン(ビタミンB1)をチアミンピロリン酸に変換するのに必要.Mgが不足するとチアミンを投与してもチアミンピロリン酸に変換できないためビタミンB1不足と同じことになる.
9月30日

Nasogastric tube syndrome:胃瘻により食道に潰瘍が形成され,炎症が食道の前の声帯開大筋に及び,声帯(外転麻痺,通常両側)の筋障害をきたす.のどの痛みと,声帯開大不全を呈する.これまでの症例報告は30数例.治療;胃瘻抜去,抗生剤,制酸剤
9月30日

神経内科グランドラウンドより;神経難病患者さん,そして介護者のQOLをいかに高めるかを考える際,医療者が,患者さん・介護者の日常の生活をどれだけ "IMAGINATION" することが出来るかがとても大切.
10月1日(私の尊敬する神経内科の先輩のお話)

パキスタン人神経内科医に「この人はalcoholismで,飲酒中断による離脱性てんかん(rum fits)が鑑別診断」と話したら,「alcoholismと言うけど日本人は毎晩飲むでしょ.どう違うの?」と聞かれた.イスラム社会で飲酒が禁止されていることを認識するエピソード.
10月1日

血圧上昇や頭痛はPRESの前駆症状として重要.PRESに関連する雷鳴頭痛はreversible cerebral segmental vasoconstriction (Call-Fleming syndrome)の時に生じる.
10月14日

PRESの病態機序としては,BBBが破綻して血管原性浮腫が生じるというbreak through説と,血管攣縮に伴う虚血によって神経症候が出現するというvasospasm説がある.
10月14日

ALSでは肺炎等を契機として,突然,高浸透圧高血糖を来すことがあるので注意を要する #ALS
10月14日

パーキンソン病におけるOff 時のdystoniaとして胸腹部の締め付けが生じることがある.#Parkinson disease
10月16日(10月16日はセミクローズドのパーキンソン病研究会@東京の内容)

本邦の全国調査で,パーキンソン病患者に対するL-dopaの処方で一番頻度が高いのは,進行例でも300mg/dayである.進行例ではL-dopa量が十分であるのか検討する必要がある.#Parkinson disease
10月16日

パーキンソン病患者さんの治療に対する不満足感は罹病期間6~9年に増える.これは運動合併症出現時期に一致する.治療満足度を高めるには,積極的なwearing-off 対策が必要である.#Parkinson disease
10月16日

抗パ薬増量の障害は副作用であり,具体的には幻覚・眠気が問題になる.#Parkinson disease
10月16日

ジスキネジアの回避目的に,L-dopa内服量を抑制しすぎるのは患者の希望と逆行するおそれがある.#Parkinson disease
10月16日

COMT阻害剤を早期から併用する場合の問題点として,患者さんがあまり症状で困っていない時期に開始するため効いたという実感を持ってもらえないということがある.それと厳密な意味でCDSを実現できる治療ではないことも理解する必要がある.#Parkinson disease
10月16日

担当医が交代しうる外来にて診療を行う場合,あとを引き継ぐ担当医のためにも,自分が使用した抗パーキンソン剤の効果についてきちんと評価し,かつ記載に残す必要がある. #Parkinson disease
10月16日

パーキンソン病における幻覚の危険因子は,高齢,重症度,認知機能>罹病期間,うつ,眠気,視力障害である.#Parkinson disease
10月16日

成人発症Pompe病では,疲労,rigid spine syndrome,高度の慢性下痢といった症状も呈しうる.#Neurology
10月17日

頚部から皮膚分節を下方にたどると,両肩を結ぶラインがC5領域であり,さらに下方にすすむと,突如T1が支配する領域が出現する.このC5とT1の境界線をcervical lineと呼ぶ。頚髄の損傷評価(C5-T1の間)に有用.C4とT2分節の間の不連続線を利用した診察法である.#Neurology
10月21日

脊髄空洞症の軽症例では典型的な症状がなく診断は難しい.上肢の不快感を訴える患者で,軽度の筋力低下や温痛覚低下を認めた場合,脊髄空洞症の可能性を考慮.中心管の拡大や中心管との交通は現在では否定的。空洞形成は,微小空洞が後角部に多発的に発生し,癒合拡大し生じるものと考えられている.#Neurology
10月21日

神経免疫研究会:内科疾患に伴う中枢神経の炎症性病変という研究会にきています。神経ベーチェット病や血管炎症候群の議論を聞けることになっています。#Neurology
10月21日

慢性進行型神経ベーチェット病では、アザチオプリン、シクロフォスファミド、ステロイドは無効。MTX少量パルスないしインフリキシマブが有効。#Neurology
10月21日

Autoinflammatory syndrome:周期性はつねつを特徴とし、病原性、自己抗体、自己反応性T cellを認めず、炎症、自然免疫、細胞死の制御に関わる分子群の異常に伴う疾患。#Neurology
10月21日

MPO-ANCA陽性の肥厚性硬膜炎では髄液のIL-6,sIL-2が上昇する.TNFaは上昇しない.原因疾患としてはまずWegener肉芽腫症を考える.難治例ではリツキシマブも考慮する(ただし感染症に注意).#Neurology
10月23日

神経ベーチェット病;急性型は髄膜脳炎が主体で,局所徴候も伴う.3割はシクロスポリン誘発性.MRIはT2, FLAIRで高信号で,造影効果も見られる.髄液は細胞・蛋白・IL-6とも上昇,治療はステロイドとコルヒチン.#Neurology
10月23日

慢性型は認知症,体幹失調,構音障害が多い.脳幹萎縮が特徴的.HLA-B51の陽性率が高い.髄液は細胞・蛋白の上昇は乏しいが,IL-6が持続高値.治療は少量MTXパルスが有効,IL-6を下げる効果あり.MTXでもダメな場合,インフリキシマブ(レミケード)も. #Neurology
10月23日
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