SSPE(Subacute Sclerosing Panencphalitis;亜急性硬化性全脳炎)は,麻疹が治癒した後,脳内で変異した麻疹ウイルス(SSPEウイルス)が脳内に潜伏し,長い潜伏期(5~10年後)の後に発症する脳細胞を冒す進行性の病気で,発症後,亜急性の進行を呈する疾患である.持続感染や発症の機序については不明.発症年齢は1歳から29歳(5歳から12歳が8割を占める).症状としてはけいれん,脱力発作,歩行障害,学業成績低下尿失禁,感情爆発などが見られ,最終的に植物状態に至る.麻疹罹患者の10~50万人に1人の発症といわれる稀な疾患である.診断は髄液麻疹IgG上昇が決め手となる.
今回,California Encephalitis Project(1988~2003年)において,脳炎1000例のうち5例がSSPEであったことが報告された.うち3例は鑑別診断にSSPEは考慮されていなかった.この理由としてSSPEが稀な疾患であることと,特異的な症状を欠き診断しにくいことが挙げられる.
SSPEの治療として,近年,免疫賦活剤であるinosiplex内服とIFN-alphaの脳室内投与の併用が有効であると報告され,さらにribavirinを併用することで寛解に導入できた症例も報告されており,早期発見は今後より重要であると言えよう.
Neurology 63; 1489-1493, 2004
今回,California Encephalitis Project(1988~2003年)において,脳炎1000例のうち5例がSSPEであったことが報告された.うち3例は鑑別診断にSSPEは考慮されていなかった.この理由としてSSPEが稀な疾患であることと,特異的な症状を欠き診断しにくいことが挙げられる.
SSPEの治療として,近年,免疫賦活剤であるinosiplex内服とIFN-alphaの脳室内投与の併用が有効であると報告され,さらにribavirinを併用することで寛解に導入できた症例も報告されており,早期発見は今後より重要であると言えよう.
Neurology 63; 1489-1493, 2004
