Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ゴム使用を倫理的に拡張

2006-11-25 | 生活
避妊ゴム器具の効用が、ヴァチカンの国際専門部会で討議されている。この作法に関しては、1968年のエンツィクリカによって定められている。それによると精子の受け入れを妨ぐ器具の使用は性道徳的に禁止されている。なぜならば生殖行為の根本的表徴は、後継のためにはなされないからである。

なるほど、精子の侵入を防ぐのではなく、受精卵の着床を防ぐ目的で、カトリックの女性が避妊器具を使うのが一般化している根拠はここにあるのである。あまり科学的に理のある解釈とは思われないが、少なくともそれらしい生殖行為が完結すると云うことでは人文的に理があるのだろう。

前教皇パウル二世も「人類の存続について」においてこれを踏襲していた。そしてアフリカのエイズやゴム器具にもこの立場から、明確な禁止を謳わずに現実的に対処していた。

時の大司教ラッチンガーは、教会の固定した人々の性の営みへの見識が非人間的なものと考えられるのを嫌ったとされ、1968年のエンツィクリカを「あまり役立たない」と言明していた。反面、アフリカにおけるおける対エイズ政策はゴム器具無しの伝統的道徳の強化を命じていた。

そして、今回の会議のメキシコのバラガン大司教と米国のレヴァダ大司教のもとで倫理的に審査され、エイズ予防を重要視してゴム器具使用が宗教学的に倫理的意味付けされるであろうと伝えられている。

先ずは、夫婦間でエイズ感染を防ぐために、または伝染を防ぐための緊急性がある場合の使用が、大司教や司教に神学者を交えて真剣に討議されると云う。

ドイツのギムナジウムでは、性教育に付随して幼気な思春期初期の少年少女たちにゴム避妊器具が配られるということを良く聞くが、これは新教的な精子へのプロテスト行為なのだろうか。色々とありそうだが、ご批判を受けても仕方ないので、コメントはこの辺りで差し控える。

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