Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

夏至を越えての一雨

2024-06-22 | 
本年は夜中に雨が降った。しかし野外で最後まで気持ちよく飲めていたのはよかった。午後4時頃から試飲もしていたので、久しぶりにアルコール量も上がった。その試飲もとても成果が上がった。現在の醸造主任になってから最高の出来だった。何年かの年度が良かったのではなく、その技がものになってきたからだ。

比較で音楽監督ペトレンコを引き合いに出すと、「三部作」あたりから自由自在に成って来たその感じに強い。つまり狙っている通りの成果を出して来ているということで、とても信頼できるようになってきた。今後の購買も若干力点を入れれるようになると思う。

グーツリースリングからグランクリュまで選択で比較試飲したのだが、今迄は一度も成功していなかったレゼルヴにおける四年間の酵母への接触での酵母臭零の出来合いは見事というしかなかった。2023年産レッヒべッへルと2018年ゴールトベッヒャルの比較は瞠目で、その瓶熟成の色に拘わらずの新鮮さは驚きだった。後者の土壌からこれだけ出来上がったリースリングを為したことだけでその醸造の腕を賞賛せざるを得ない。

なぜならば何本かギフト用に購入してまさかここ迄出来上がってしまうワインとは思わなかったからである。

味筋としてはダイデスハイムのヴィラージュの良さは、プリミエクリュ化を準備ししているヘアゴットザッカーやモイスヘーレそしてカルクオフェンの地所からのそれが、特に最後の火付け石のスパイシーさはヴェトナム料理や場合によれば豆板醤にも合いそうで、そのような料理で楽しみたい人には御誂え向けだった。そしてヴィラージュ本来の品がエレガント。

テラスでの試飲は暑くもなく、一方にオペラ劇場を望みながら英国庭園が目前に広がる風景は気持ちよかった。ドイツのグライボーン音楽祭を目指したのだが、やはりしっかりした芸術監督がいなかったのが成功にならなかったのだろう。

そしてフォルストのヴィラージュも2023年産で各地で話題になった還元臭もとても上手な処理となっていた。要するに亜硫酸臭には全く結びつかずに、決して否定的な要素とはなっていなかった。しかしながらそれによって濃くのあるリースリングとして飲んで仕舞うと、通常の瓶熟成を待たないことになる。

どのワインをどのように開けていくかの判断は全く個人的な需要に準拠するので、最もその素養のポテンシャルを活かした飲み方にしたいものである。

ワインを収めてから引き続き食事に向かった。いつものガーデンレストランは閉まっていたので、近くのダイデスハイムの農協の貸しているレストランで食した。現在のキッチンは初めてかもしれないが、思ったよりも遥かに良かった。久しぶりにこれだけ美味いビーフを杏子茸ソースで食した。30ユーロ程の価格で腹いっぱいになって、カベルネソーヴィニオンも飲めた。なるほど腹にガスがたまって厳しかったかもしれないが、原因はヴュルツブルクから帰宅後にコーヒーの為に生ミルクを入れられなかったことが胃腸を弱らしていたのだろう。


その後各国の元首がヘルムートコールににって招かれたダイデスハイマーホーフのテラスでビール一杯だけでも夏至が暮れていくのを楽しんだ。



参照:
フランケン葡萄処漫遊記 2024-06-21 | 試飲百景
栄養満点のフルーツパン 2023-12-27 | 暦
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする