Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

待降節ストレスを試して流す

2009-12-23 | 試飲百景
クリスマスストレスである。こんなことはなかった、昨年もその前も。兎に角、公私共に落ち着かない。それでも野菜の買物だけは済まし、シャツもクリーニング屋で回収して来た。

帰りにワイン屋によって結局今年最後の試飲らしきを片付けた。予約していたペッヒシュタインの2002年産を回収するついでに、十月に試飲して買う予定であった2008年産カルクオーフェンを半分近くも試飲してしまった。その途中に、若い運転手付きのような青年が2002年産ライタープファードなどを試飲するので御相伴に預かった。

ライタープファードは特に土臭い土壌で愛好者は限られ、その上にクリーミーな熟成をしている2002年を所望するのは特別な趣向や評判があるのだろう。私はなぜかこの特に興味ないものをたまたま頻繁に御相伴しているので、恐らくそれはそれで市場があるからだろう。

どういった市場かといえば、我々が酸の肌理の細かさや新鮮さを求めるのに対して、こうした人々は丸まった酸とクリーミーさを尊ぶのだろう。その証拠に青年も熟れたリースリングに最初から狙いを定めていた。私のような若好みからすれば、おしろいのタップリ乗った白粉をそこら中に飛散させる年増好みなのかも知れない。

そして、イエズイテンガルテンを試飲して好みでないと仰っていたが、私はこれの御相伴の機会を逃した。どうせ購入できる価格でないから買う気はないから遠慮するのが当然だろうが。

そして結局同じクリーミーな傾向の上の中間に位置するホーヘンモルゲンを二本購入して全部で六本2002年産を木箱で持ち帰った。二百ユーロは越えている。

さて私の方は、2002年ペッヒシュタインの十二月現在での状態を確認して、かなりの手ごたえを得た。まだまだ置いておけるようだが、食事さえ合えば早く手をつけたい。

やはり今年話題となったキルヘンシュトックへと話は飛んだが、評価本のちらしをみるとその情報やら書いてある内容がなんとも馬鹿らしい。こうしたものを真面目に見るものは恥じを知りなさい。今年の代表に歴代選ばれているのが2003年のミュラーカトワール醸造所、2004年シェンレーバー、2005年ヴァイル、2006年ケラー、2007年プリュム、2008年ハーク、2009年ヨハニスベルク、2010年ビュルクリン・ヴォルフ。何じゃこりゃ、この冗談のような選考は?

なにが四つ房クラスなのか不可思議でたまらない。2008年がキルヘンシュトックのグラマスさをはじめとするセンセーショナルなコレクションで全ドイツの辛口の頂点を独占だと?どうもその十選の中にホーヘンモルゲン、ペッヒシュタイン、キルヘンシュトックが入っているからのようだ。なにも2008年が特別良い訳でもなく、2002年産と少々比較出来るだけで、「単純なリースリングでさえミネラルの強さを見せつける」とされる2007年産と比べて特別に魅力がある訳ではない。ハッキリしているのは、はじめは難しかったが現在最高の飲み頃となっていてこれからも楽しめる2001年産と同じように、最初はちんぷんかんぷんで評価をつける者がなにも分かっていないだけなのである。その点、2008年は最初から華やかに開いているものが多い。だから、本日購入したこれまた例がないほどに魅力的なカルクオーフェンもこれから閉じて行くのである。今が飲み頃なのである。

あまりに忘年会気分で試飲の量が進んだのでピノノワールSも購入した。イーディクでのクリストマン醸造所とのバーター取引は終ったようである。クリストマンの方が交換のホーヘブルクよりもイーディックに固執したようである。我々のピノノワールの需要もあるから当然であろう。



参照:
エアステ・ラーゲ試飲会 in ヴィースバーデン (モーゼルだより)
東京ドイツワイン協会のクリスマス会の感想 (ヨーロッパ、ドイツワインについてのいろんなベスト3)
コメント
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