Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

天皇制廃止も目前の敗北感

2009-12-16 | 歴史・時事
FAZに「落陽の日本」のことが書かれている。上手に纏められているが、それだけに内容が悪く政局の見通しが利かない。要するに合衆国と中共の間で戦略的な態度を採り出した日本の立場を説明している。

合衆国での景気回復がそのまま日本の経済に油を注ぐこともなくなり、今後は経済的にも中共に遅れをとることは確実であるが、既にその分お零れを貰える体勢は出来ていると言うのである。

まさに、そうした国際社会的な状況を顕著に表わしたのが、国民に人気の無いバリバリの共産党の支配階級出身である習副主席を次期主席へと東京から後押しするためにと、明仁天皇との会見の特例のセッティングであり、小沢天皇御一行の胡主席参拝のデモンストレーションだったようだ。

その後の小沢幹事長の会見に、大多数の日本国民が怒るのは尤もである。なによりも大変微妙な象徴天皇制の脆弱な姿を曝け出し、さらに大国の元首の前では如何にも飾り物にもならない日本の象徴の貧弱さ見せつけたからに他ならない。

我々共和制の立場を取る者にとっても、小沢のような国民とまともな言葉でコミュニケーションをとることが出来ない政治家の権力者しか生まれないような社会文化程度では、韓国のそれとそれほど変わらないとしか思われないのである。共和制への移行は、出所や信仰や人種況してや経済的な貧富がその社会的立場に影響を与えない社会の構築が基本である。そうした社会創りが外国人の参政権問題よりも一般的で高位な問題であることは自明の理である。

さらに中共への貢物や賄賂によって国内での権力を強化した方法は、田中角栄ファミリーの金権体質そのものであり、また朝鮮との関係から歴史解釈や移民法などの堅実な手順を踏まず参政権をごり押ししようとする姿は、まるで同じように権力コンプレックスの塊であったヒトラー総統のポーランド懐柔政策にも似通っている。そうした政治家が民主主義を説教するのを聞くと片腹が痛い。

その実、日本国民が殆ど歴史的な屈辱感を得たのには、宮内庁などの訳の分からぬ官僚組織の存在に光を当て、御簾の奥深くまでにスポットライトを当て、その足元が照らされて有難味が消えて去った喪失感ゆえに違いない。象徴天皇制を支えているのは、小沢幹事長が嫌う一神教のそれとはまた別の多神教の世界観でしかないからである。

唯物主義的シュピーゲル誌のネット配信の小記事には、件の小沢発言がコメント無しに扱われているが、ユダヤ教を敢えて除いたイスラム教と寛容のキリスト教に批判の矛先が向っている事に奇異な感じが表徴される。

中共との親密さを誇示することで戦略的に合衆国に対して有利な立場を築こうとするのが鳩山政権の基本外交政策であろうが、実際に裏面で行われていることは日中友好条約締結時の朝日新聞などが率先として諮った友好ムード外交とそれほどかわらない様にしか見えないのだがどうだろう。お座なりの人権批判にしても、海底ガス田開発問題にしても一向に具体的な政府間の交渉は進まずに、背後では金や権力が積み重ねられていることは間違いない。共産党とはそうしたものであるのは言うまでもないだろう。

明仁天皇の健康状態を考慮すれば天皇の退位なども法制化すれば良い訳で、其処まで来れば天皇制廃止ももう一息である。今回の特例面談は日本史に残る大事件となるのであろうか?

新聞に再び目を遣ると「革命家」の古川元久や防衛大臣、合衆国なども微々たる基地問題は参議院選挙でさらに民主党の政権基盤が強化されれば自ずと解決すると楽観しているようだが、万が一噂のように鳩山内閣が崩壊して、小沢幹事長に更に権力が集中した時に誰がその首に鈴を付けられるのだろう?

今日からすれば安倍元総理などが試みた政治姿勢が如何にこうした「現実」を国民の目から隠して、「有難味」の中で自らの利権を肥そうとした政治であるかがより一層明らかにされることになった。だから古川元久は、「国民は従来の政治にへきへきしているんですよ」と余裕を見せられるのである。



参照:
Mit den Revoltionaeren gegen die Abstiegangst, Klaus-Dieter Frankenberger, FAZ vom 15.12.09
醜悪を隠す被り物を取れ 2009-11-14 | 歴史・時事
条件付の理念などとは? 2009-10-30 | マスメディア批評
政権交代の究極の目的は 2009-08-16 | マスメディア批評
民主主義:GHQインジェクション (恵比寿法律新聞)
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