名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

稀勢の里、不屈逆転の賜杯

2017-03-27 09:14:30 | Weblog
2017.3.27(月)
 新横綱の2連覇なるかで特別に盛り上がった大相撲春場所は、まるで奇跡が起こったような結末で日本中が沸いた。
 今年の初場所で優勝を飾り、遅咲きの横綱の地位に就いた稀勢の里は、大阪春場所で順調に12連勝と白星を積み重ねてきたが、13日目で横綱日馬富士に土俵下へ投げ出されるという負けを喫してしまった。しかもここで誰しもが、翌日以降は休場せざるを得ないのではないかと思わせる大けがを負った。しかも彼の攻めに欠かせない左肩である。新横綱の2連覇は夢と散ったはずであった。
 ところがである。14日目、稀勢の里は休場を選ばず(彼自身、負けを承知しつつ=と思われる)横綱鶴竜との対戦に挑んできた。案の定、あっさりと寄り切りで負けた。これで12勝2敗。一方、優勝候補の大関照ノ富士は、この日も勝って13勝1敗。千秋楽はこの二人の決戦ということになった。
 もともとは、14戦全勝の稀勢の里と13勝1敗の照ノ富士との優勝戦を予想して、この組み合わせを千秋楽にセットしたと思われるのだが、直前にけがを負った12勝2敗の稀勢の里と、13勝1敗の照ノ富士との決戦になってしまった。
 この段階で、もはや誰もが照ノ富士の優勝を疑っていなかった。ところが奇跡は起こるものでもある。左指しを得意とする稀勢の里が、左肩を痛める致命傷(と誰もが思った)を負いながら、本割と優勝決定戦で続けて照ノ富士を下した。土俵際のきわどい勝ち方ではあったが勝ちは勝ちである。正に劇的な逆転優勝を遂げてしまった。日本中が沸きに沸いた。大相撲史上、稀有な出来事として位置づけられるであろう。 
 新横綱の優勝は1995年初場所の貴之花以来、22年ぶり8人目という。稀勢の里は、痛みをこらえながら賜杯を抱き、涙を流した。